小さな旅

フィールド・オブ・ドリームス “上を向いて歩こう”くりやま

福祉を支援してくれた友人の歌声 北海道最古の造り酒屋の銘酒 さまざまな生きものを育む憩いの森 プロ野球監督が夢を叶えた野球場 鼻歌交じりに歩きたくなる秋の栗山町

(1)「坂本九思い出記念館」の九角形のショーケース (2)造り酒屋のシンボル酒林(杉玉) (3)栗山監督の造った夢の球場「栗の樹ファーム」

栗山町ゆかりのスターと郷土の歴史を伝える記念館

  雲ひとつない青空のもと、札幌から約1時間の快適なドライブ。午前9時頃に栗山町のハローENJOYに到着した。今回、栗山町の案内をお願いしたのは若松芳恵さんと佐々木彩乃さんだ。
  まず訪ねたのは『上を向いて歩こう』などのヒット曲で知られる坂本九さんを偲ぶ坂本九思い出記念館だ。“九ちゃん”の愛称で親しまれた坂本九さんは昭和51年から日航機墜落事故で亡くなる昭和60年までSTVテレビの福祉番組「サンデー九」の司会を務めた。番組の撮影で九ちゃんは、道内各地の福祉施設を訪ね、ハンディに負けず頑張る人たちを紹介し、励まし続けていた。その遺徳と温かい笑顔の思い出を永久に伝えようと、番組を通じて交流のあった栗山ハロー学園(現ハローENJOY)のすぐそばに平成5年に記念館が建てられた。管理・来客の案内・清掃なども同施設の利用者たちの手で行われている。館内に流れる九ちゃんの歌声を聴き、遺品の数々を見るにつけ、往年のファンとしては胸がいっぱいになってしまう。記念館のシンボルは九角形の塔、建物自体も9、ショーケースも九角形、とことん9にこだわっている。小さいながらも栗山の人たちの九ちゃんへの深い想いが感じられる記念館だ。
  市街地へ向かう途中、開拓記念公園に立ち寄った。明治21年、栗山町開拓の祖、泉麟太郎が入植の鍬を入れたところ。栗山町発祥の地だ。公園内に泉麟太郎の住居だった茅葺屋根の泉記念館と、対照的にモダンなフォルムの開拓記念館がある。開拓期の生活用品や農機具、模型やジオラマ、空撮による栗山の映像「空中散歩」など、町が発展していく姿を偲ばせる資料が展示されている。
  銘酒『北の錦』で知られる小林酒造は、明治11年に創業した北海道最古の蔵元。敷地内の築100年を超える西洋風のレンガ蔵や住居など13棟が国の登録有形文化財に登録されている。北の錦記念館は、昭和19年に小樽の銀行をモデルに建てられた旧本社事務所。時代を感じさせる重厚感のある建物だ。1階は創業当時から使われてきた貴重な酒器や仕器など約5000点を展示、2階には造り酒屋の祝宴を再現したコーナーや終戦後にGHQが駐留し簡易裁判を行った応接間が当時のままに保存されている。また、1階にはショップと試飲コーナーもあり、10種類以上の日本酒を試飲することができる。栗山監督の監督就任記念として醸造された、その名も「栗山英樹 夢は正夢」というお酒もあった。敷地内に「手打ち蕎麦 錦水庵」や、くりやまコロッケが食べられる「レストラン蔵」も併設されている。

記念館設立を支援してくれた999人の名札。
記念館設立を支援してくれた999人の名札。
九ちゃんの笑顔の思い出がいっぱい
九ちゃんの笑顔の思い出がいっぱい
開拓記念館内覧
栗山開拓期の生活用具を展示する「開拓記念館」
西洋建築のレンガ蔵
造り酒屋では極めて珍しい西洋建築のレンガ蔵
酒造りの終了を祝う「甑倒しの祝宴」を再現
酒造りの終了を祝う「甑倒しの祝宴」を再現
記念撮影用に半纏を着て栗山の銘酒をアピール。
記念撮影用に半纏を着て栗山の銘酒をアピール。右は本醸造「栗山英樹」
レストラン「蔵」の名物くりやまコロッケ
レストラン「蔵」の名物くりやまコロッケ

子どもたちの夢を育てる 栗山町の観光スポット

  昼食は、JR栗山駅に近いレストラン『ひつじ八』へ。栗山名物の栗まんじゅうで有名な昭和6年創業の老舗「美津和商会」の店内にある。羊のディスプレイが飾られ、女性同士でも気軽に入れる雰囲気。まずメニューの多さに驚く。一番人気だというベーオムハヤシを注文した。ベーコンと野菜の炒めご飯をふわトロの卵でくるんだオリジナルメニューだ。胡椒がきいたライスと卵、ハヤシソースが絡んで絶妙の味。ボリュームも満点だ。帰りに栗まんじゅうをお土産に買って店を後にした。
  栗山公園は、御大師山の裾野に広がる国道234号線沿いの都市公園。遊具やSL広場、キャンプ場、スポーツ施設などが整備されている。園内にある入場無料のなかよし動物園では、ポニー・うさぎ・モルモット・ヤギ・エゾシカや水鳥にエサをあげることができ、小さな子どもを連れた家族の姿が目立った。「栗山監督応援花壇」という、白星をあげるごとに1つ白い花を植えるユニークな花壇もある。
  昭和60年、御大師山で準絶滅危惧種の国蝶オオムラサキが発見された。栗山町がこの蝶の北東限の生息地とされている。この御大師山の一画にオオムラサキをはじめとする昆虫や野鳥など様々な生きものが棲むファーブルの森がある。野鳥の森、昆虫の池、自然観察路を散策しながらの自然観察を楽しめるほか、観察飼育舎では国蝶オオムラサキの生態に関する資料が展示されていて、人工飼育による羽化の様子も観察できる。
  栗の樹ファームは、日本ハムファイターズの栗山英樹監督が、名前が縁で栗山町に造った少年野球場。映画「フィールド・オブ・ドリームス」に感動した栗山監督が「同じような球場を作りたい・・・」という夢を実現させた“夢の球場”だ。隣接するログハウスには、栗山監督が自ら集めたコレクションが展示されている。イチロー選手やゴジラ松井選手をはじめ、日米の名選手が使っていたバット、グローブ、ユニフォーム、直筆サインボールなど野球ファン垂涎の品々だ。展示している野球用具を使ってキャッチボールを楽しむこともできる。野球ファンにはたまらないミュージアムだ。憧れのスター選手のユニフォームに囲まれてのコーヒーブレイクは、至福のひとときだった。
  一日中、汗ばむほどの晴天に恵まれ、青空を見上げるとウキウキしてくる秋日和の栗山町の旅だった。

レストラン「ひつじ八」にて昼食
レストラン「ひつじ八」
ランチ 11:00~15:30
ディナー 17:30~21:00
(第1月曜日定休)
電話(0123)72-0237
栗山監督応援花壇
栗山監督応援花壇には応援メッセージも
ファーブルの森看板
昆虫や野鳥の宝庫「ファーブルの森」
葉陰に国蝶オオムラサキの幼虫が・・・
葉陰に国蝶オオムラサキの幼虫が・・・
日米の名選手のサイン入りユニフォーム
日米の名選手のサイン入りユニフォーム
グローブをかたどった特注のソファ
グローブをかたどった特注のソファ

栗山町の旅マップ

栗山町マップ

北の錦記念館(小林酒造) 外観
北の錦記念館(小林酒造)

■入館料 /  無料
■開館時間 /  4月~10月
10:00~17:00
11月~3月
10:00~16:00
■休館日 /  年末年始
■お問い合わせ /  (0123)76-9292
開拓記念館・泉記念館 外観
開拓記念館・泉記念館

■入館料 /  小・中学生 50円、高校生以上 100円
■開館時間 /  10:00~16:00
■休館日 /  月曜日、祝日の翌日、年末年始
■お問い合わせ /  開拓記念館(0123)72-6035
ファーブルの森 観察飼育舎 外観
ファーブルの森 観察飼育舎

■入館料 /  無料
■開館時間 /  4月29日~10月31日
10:00~16:00
■休館日 /  火曜・祝日の翌日
■お問い合わせ /  (0123)72-7749
栗の樹ファーム 外観
栗の樹ファーム

■入館料 /  無料
■開館時間 /  4月~9月
11:00~15:30
10月~3月
11:00~15:00
■休館日 /  月・火曜日
■お問い合わせ /  (0123)72-3917
社会福祉法人 栗山ゆりの会ハローENJOY 外観

社会福祉法人 栗山ゆりの会  ハローENJOY

夕張郡栗山町大井分108-6
電話(0123)76-3656 FAX(0123)76-3764


生活介護事業・就労継続支援(B型)事業所ハローENJOY、ハローENJOY助歩栗山、
ハローENJOYつぎたて5、ハローENJOY札幌、ハローENJOY札幌II/
共同生活援助事業所グループホーム拓心荘(11ヵ所)、ハロー、こんにちは/
短期入所事業どうぞ

大賑わいの「ハロー祭り」
大賑わいの「ハロー祭り」
ハローENJOYつぎたて5 店舗外観
ハローENJOYつぎたて5 店舗外観
つぎたて5 サマーフェスタの様子
つぎたて5 サマーフェスタの様子
  札幌市豊平区の知的障がい者入所更生施設「ノビロ青年の家」の利用者たちが夏のワークキャンプとして栗山町で農作業をしているうち地域との交流が重ねられ、橘文也施設長(現総合施設長)の呼びかけで平成4年、社会福祉法人「栗山ゆりの会」を設立し、通所授産施設「栗山ハロー学園」を開設。同14年に施設名を「ハローENJOY」に改称しました。
  「学園という先生と生徒という上下関係のイメージを払拭し、同じ施設を利用する者同士、パートナーという意味で改称しました」と田中秀典施設長。地域の人たちと気軽にあいさつを交わせる関係になりたいということで、まず『ハロー』と名付け、ENJOYは、E(エネルギッシュ)+N(ノーマライゼーション)+J(ジョブ・コーチ)+O(オープン)+Y(ユア・プレイス)の頭文字をとって名付けられました。栗山町内の3施設共同のグループホーム11ヵ所で利用者の地域生活を支えています。また、札幌市にも次々に施設とグループホームを建設し、事業の拡充を図っています。
  坂本九さんとは、テレビの取材で来園されたことがきっかけで、橘文也施設長(当時)と公私ともに親交を深めていきました。突然の事故の後、橘施設長が中心となって有志9人と「九人会」を結成し、九ちゃんの福祉の心を残したいという思いを込めて記念館設立に尽力しました。九ちゃんは事故の2週間前にも施設を訪れていたそうです。柏木由紀子夫人や二人のお嬢さんとは現在も交流が続いています。

 

栗山町のおもな社会福祉法人
特別養護老人ホームくりのさと彩 外観
特別養護老人ホームくりのさと彩
敬老の日記念祝賀会で余興を披露する職員たち
敬老の日記念祝賀会で余興を披露する職員たち

社会福祉法人 栗山福祉会

夕張郡栗山町字湯地91-20
特別養護老人ホームくりのさと
[電話(0123)72-6167]
地域密着型特別養護老人ホームくりのさと彩
[電話(0123)76-7121]

栗山町の有志間で「わが町にも特別養護老人ホームが必要」との機運が高まり、昭和61年、法人設立に至りました。翌62年、特別養護老人ホーム「くりのさと」(定員100床)、平成27年には新たに地域密着型の「くりのさと彩(いろどり)」(定員29床)を開設しました。現在は、在宅生活者を支えていこうと短期入所(ショートステイ)に力を入れています。短期入所は、栗山町社協が推進するケアラー支援と足並みをそろえる形で、家族の介護負担軽減のための支援となっています。

養護老人ホーム泉徳苑 外観
養護老人ホーム泉徳苑
どろんこになって遊ぶ栗山いちい保育園の園児たち
どろんこになって遊ぶ栗山いちい保育園の園児たち

社会福祉法人 水の会

札幌市中央区南3条西1丁目1南3西1ビル5階
電話(011)205-0341 FAX(011)205-0342
栗山いちい保育園/養護老人ホーム泉徳苑、
一草庵/ディサービスセンターくりやま/
居宅介護支援事業所パートナー

平成11年、社会福祉法人「水の会」設立。翌12年、最初の施設となる大曲いちい保育園を北広島市に開園しました。現在では東京、横浜でも保育園を運営。北海道から職員も派遣しています。また、平成20年からは高齢者福祉施設の運営も行い、「自然から学ぶ」という設立理念のもと、乳幼児保育から高齢者支援に取り組んでいます。保育園では地域の行事に参加するなど地域交流も盛ん。高齢者施設では、隣接する泉徳苑と一草庵の利用者が共同で「自治会」や「自活生産組合」を運営し、円滑な共同生活を送っています。

総合福祉センター しゃるる 外観
総合福祉センター しゃるる
地域のたまり場となっている「ケアラーズカフェ」
地域のたまり場となっている「ケアラーズカフェ」
冷蔵庫に保管する「いのちのバトン」
冷蔵庫に保管する「いのちのバトン」

社会福祉法人 栗山町社会福祉協議会

夕張郡栗山町朝日4丁目9-36
総合福祉センター「しゃるる」内
電話(0123)72-1322 FAX(0123)72-5121
昭和28年設立、昭和43年に法人認可を受けました。平成22年から取り組んでいるケアラー支援事業は、社協にとって大きな転機となりました。ケアラーとは、介護・看病や一人暮らしの高齢者などケアの必要な家族や近親者・友人・知人を無償でケアする人のこと。ケアラーの体調不良・息抜き・心身のリフレッシュ等を支援しています。緊急連絡先・かかりつけの病院や薬などの医療情報の専用容器「いのちのバトン」の配布、支える側も支えられる側も自由に集まり交流する「ケアラーズカフェ」の開設、ケアラーサポーターの養成など、『地域で支え合う町づくり』を推進しています。