小さな旅

「みそぎの郷」は花ざかり 春のきこない紀行

チューリップや芝桜が咲き誇る春 北海道新幹線や道南いさりび鉄道が開業 道の駅など新しい観光スポットも誕生 ゴールデンウィークに行きたい 自然と歴史が息づく木古内町の旅

オランダから寄贈されたチューリップが咲き誇るサラキ岬チューリップ園。ここは咸臨丸終焉の岬でもある(写真提供:木古内町観光協会)

木古内町の歴史と文化 鉄道ファン注目の木古内駅

  北海道新幹線開業から1年、初めて新幹線に乗った。新函館北斗駅からわずか13分の乗車であっけなく木古内駅に着いてしまった。今回は木古内町社会福祉協議会の金谷綾子さんと西山美佐子さんの案内で早春の木古内を旅する。
  まず向かった先は明治33年に本堂が創建された禅燈寺だ。山門の右に那延金剛、左に密迹金剛の「あ・うん」2体の仁王像が安置されていて、迫力満点だ。道内有数の木仏像に数えられているという。また、敷地内にJR江差線の線路が敷設され、境内を列車が通過する珍しいお寺として鉄道ファンにも人気があったとか。江差線の廃止により、いまは道南トロッコ鉄道のトロッコが走っていて、家族連れの観光客が多く訪れる(春~秋の土日祝のみ)。
  郷土資料館「いかりん館」は、廃校になった小学校を再利用して平成15年に開設された。中央に吹き抜けの天窓があり明るく開放的な雰囲気。木古内の年表、町の歴史と発展、木古内の産業の歩み、人々の生活と文化が一目で分かるように資料が展示されている。ホール中央には、サラキ岬沖で明治4年に座礁した咸臨丸のものではないかと推定される錨が展示され、資料館のシンボルとなっている。北海道新幹線開業を記念して鉄道資料室もオープン。旧江差線の資料などが充実していて面白い。
  北海道新幹線と函館から木古内までの海岸線を走る「道南いさりび鉄道」の開業が重なり、JR木古内駅は鉄道ファンの注目の的。新幹線の走行写真を撮影するなら、木古内駅から車で5分ほど知内方面に進んだところに新幹線ビューポイントがある。緑と紫にペイントされた展望台は新幹線の車体カラー。トンネルから飛び出てくる新幹線の姿や在来線との共有区間の分岐ポイントも見られ、「撮り鉄」といわれる鉄道ファンの絶好の撮影ポイントとなっている。展望台には固定式双眼鏡や新幹線通過時刻表も掲示されている。

留辺蘂町の特産品がズラリと並ぶ道の駅
2体の仁王像が安置されている禅燈寺山門
咸臨丸の錨と推定されている郷土資料館のシンボル。
咸臨丸の錨と推定されている郷土資料館のシンボル。いまも調査が行われているが、ほぼ99%間違いない
木古内町で発見された土器の数々
木古内町で発見された土器の数々
駅長の扮装で記念撮影
郷土資料館の鉄道資料室。駅長の扮装で記念撮影もOK
新幹線が真上から見える新幹線ビューポイントの展望台
新幹線が真上から見える新幹線ビューポイントの展望台
新幹線ビューポイントの展望台

道の駅の絶品イタリアン 寒中みそぎ祭りの浜

  木古内駅南口に「スイーツギャラリー北じま」がある。スイーツやパンなどのオリジナル商品が随時50~60種そろう和洋菓子店だ。しかし、金谷さんと西山さんが案内してくれたのはJR木古内駅北口の本社工場のある本店の方だ。ここにはスイーツを楽しみながらコーヒーをいただける喫茶コーナーがある。職人さんたちがパンやスイーツを焼く様子をガラス越しに眺めながら、ステキな店内でゆったりした時間を過ごした。
  木古内駅前には道の駅「みそぎの郷 きこない」も開設された。平成28年1月の開業以来、早くも来館50万人を達成した。観光コンシェルジュも常駐し、木古内町をはじめ周辺の道南9町の広域観光情報を発信している。地元の特産品はもちろん、全道や東北の特産品も豊富にそろっている。本格イタリアンレストランも併設。「軽食コーナーも出来て人気ですよ。塩パンは日によって焼きたてに行列が出来ています」と読者からのはがきで教えられた。
  昼食は道の駅のレストラン「どうなんde’s」でいただく。明治初期の開拓以来、歴史的に木古内町と深いつながりを持つ山形県鶴岡市の有名レストラン『アル・ケッチァーノ』のオーナーシェフ奥田政行氏監修の道南の食材にこだわったイタリアンを提供している。この日のランチメニューは「はこだて和牛ハンバーグ」と「江差産ズワイガニとセリのペペロンチーノ」。ハンバーグをいただいたが、木古内産の赤毛和牛は、柔らかな肉質、肉汁もたっぷりの絶妙な味わいだった。
  津軽海峡を一望できる海岸沿いの鳥居と展望台がある駐車場がみそぎ浜だ。毎年1月15日に行修者と呼ばれる4人の若者が極寒の津軽海峡に飛び込んで佐女川神社のご神体を潔よめ、一年の豊作豊漁を祈願するのが、木古内町の最大のイベントである「寒中みそぎ祭り」だ。それに合わせて、みそぎ広場では寒中みそぎフェスティバルが開催され、御神酒や暖かい飲物、物産フェア、はこだて和牛満喫フェアなどの各種催し物が実施される。
  みそぎ浜の近くの海辺の小さな公園に「木古内の坊」という男性の像が建っている。明治初期、幼くして目を患いながらも貧しい家庭を助けるためにつけ木(マッチ)を売り歩くなど孝養心をもって生きたという実在の人物だ。ある富豪の家に生まれた指が不自由な子が木古内の坊のお墓の土をかけたら治ったなど、数々の奇跡の伝説が残っている。親孝行な坊の心を後世に伝えようと町民の手によって像が建立されたのだとか。坊にちなんで「孝行餅」という土産物もある。

休憩中のお二人
スイーツギャラリー 北じま 外観
スイーツギャラリー 北じま
営業時間/9:00~17:00 日曜定休
電話(01392)2-2209
木古内町マスコットキャラクターの「キーコ」と一緒に
道の駅のポストは木古内町マスコットキャラクターの「キーコ」

道南だけでなく東北の特産品も豊富にそろう道の駅「みそぎの郷 きこない」
特産品と一緒に
昼食中のお二人
レストランどうなんde's
どうなんde’s
ランチ/11:00~14:00
ディナー/17:00~21:00
定休日/不定休
電話(01392)6-7210
「寒中みそぎ祭り」が行われるみそぎ浜
「寒中みそぎ祭り」が行われるみそぎ浜
孝養心が数々の軌跡を生んだ「木古内の坊」
孝養心が数々の奇跡を生んだ「木古内の坊」
薬師山山頂からは津軽海峡が一望のもと
薬師山山頂からは津軽海峡が一望のもと

チューリップと芝桜 春の木古内は花ざかり

  木古内町の南東部に幕末のロマンを感じさせる岬がある。サラキ岬だ。明治4年、幕府海軍の主力艦として幕末の動乱期に活躍した咸臨丸がサラキ岬沖で座礁沈没した。その咸臨丸終焉の碑があり、威臨丸の1/5スケールのモニュメントが設置されている。毎年8月には「咸臨丸まつり」が開催される。
  サラキ岬のもう一つの見どころは、咸臨丸が建造されたオランダから贈られた約60種5万球のチューリップ園だ。例年4月~5月に咲き誇り、ゴールデンウイーク後半から5月中旬まで「チューリップフェア」が開催される。
  春の木古内町を代表する名所といえば薬師山の芝桜だ。山肌の南斜面がピンクに染まる景色は、町中のどこからでも楽しむことができる。サラキ岬のチューリップ花園と並ぶ春の風物詩だ。JR木古内駅の1kmほど北にある薬師山は、標高わずか72.9mしかない道南一低い山。山頂までは丸太を使った階段が整備されているが、低い山とはいえ結構きつい。山頂には薬師堂があり展望台になっている。木古内の町並みや津軽海峡、遠く下北半島まで雄大なパノラマが楽しめる。また、薬師山周辺は戊辰戦争の激戦地でもあり、道南の霊場の一つとして知られ、遊歩道沿いに三十三観音像が安置されている。
  駆け足で回った木古内の旅だった。また機会があれぼ、今度は函館から約1時間の「道南いさりび鉄道」で車窓風景を楽しみながら鉄道の旅をしてみたい。

山肌をピンクに染める薬師山の芝桜
山肌をピンクに染める薬師山の芝桜
(写真:木古内町観光協会)
サラキ岬の沖に眠る咸臨丸のレプリカ
サラキ岬の沖に眠る咸臨丸のレプリカ

木古内の旅マップ

木古内マップ

木古内町郷土資料館「いかりん館」外観
木古内町郷土資料館「いかりん館」

■入館無料
■開館時間 /  9:00~16:00
■定休日 / 
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
■お問い合わせ /  (01392)2-4366
道の駅「みそぎの郷きこない」外観
道の駅「みそぎの郷きこない」

■営業時間 /  9:00~18:00
■定休日 /  年末年始
■お問い合わせ /  (01392)2-3161
社会福祉法人 木古内町社会福祉協議会 外観

社会福祉法人 
木古内町社会福祉協議会

上磯郡木古内町字本町150-1
電話(01392)2-2780 FAX(01392)2-4475

「春の森林浴会」は北斗市でお花見
「春の森林浴会」は北斗市でお花見
介護予防体操教室「ピンコロ会」
介護予防体操教室「ピンコロ会」
知内社協と共催で「ボランティアスクール」
知内社協と共催で「ボランティアスクール」
  昭和51年、法人設立。「木古内町は高齢化率がものすごく高くて約45%(平成29年2月現在)です。道内でも10本の指に確実に入ると思います」と開口一番、工藤晋事務局長はいいます。そのなかで、木古内町社協が取り組んでいるのが介護予防対策です。地域に定期的な集いの場を提供し、閉じこもりや筋力・体力の低下防止、将来の介護リスクを軽減することを目的に、モデル地区を対象に月1回3年間、簡単な体操と遊びとレクリエーションを混ぜた介護予防体操教室「ピンコロ会」を開催しています。3年後は自主的に介護予防のためのサロン活動を行ってもらいます。ピンコロとは「ピンピン、コロリ」、つまり要介護状態に陥らないようにいつまでも現役でいましょうという意味です。「森林浴とお散歩を楽しむ会」も春と秋の年2回開催しています。一般参加もOKですが、平日開催のため、65歳以上の高齢者が主体となっています。これも介護予防の一環です。
  また「訪問移送サービス」も実施しています。専任の訪問員を3名配置して、約250名の独居高齢者や高齢者夫婦宅を毎日、車で訪問しています。必要な世帯の安否確認、心配事、悩みの相談に乗って、安心して生活できるよう支援しています。町内の病院への送迎などもします「サロン事業などでも、こちらから『これをやりましょう』というのではなくて、『これをやりたいんだよね』といった声に対してどうお手伝いできるかということが重要だと思っています」と工藤事務局長は、町民の自主性に期待している様子です。

 

木古内町のおもな社会福祉施設
特別養護老人ホーム 木古内恵心園 外観
特別養護老人ホーム 木古内恵心園
デイサービスセンター 木古内恵心園 外観
デイサービスセンター 木古内恵心園

社会福祉法人 木古内萩愛会

上磯郡木古内町字大平60-7
電話(01392)2-2727 FAX(01392)2-4061
特別養護老人ホーム木古内恵心園/
木古内恵心園短期入所生活介護事業所/
デイサービスセンター木古内恵心園

昭和59年法人認可、翌60年に木古内恵心園を開園しました。津軽海峡を望む木々に囲まれた丘の上に位置し、北海道新幹線の通過風景も眺められます。木古内恵心園では、法人理念である「共感する心」「向上する心」「和みの心」「慈しみの心」の4つの心を大切に、個々のケアプランをもとに、自主的諸活動への支援や諸行事を実施。余暇活動の充実を図り、リハビリ訓練を通して、身体的機能の維持、回復と日常生活動作能力の拡大を図りながら、利用者の皆様が尊厳と誇りを持って生活していただけるようサービスの提供に努めています。

畑体験(ジャガイモほり)の一日
畑体験(ジャガイモほり)の一日
楽器演奏を楽しむ子どもたち
楽器演奏を楽しむ子どもたち
英語遊びも取り入れてリズム体操
英語遊びも取り入れてリズム体操

社会福祉法人 願応会 永盛保育園

上磯郡木古内町本町379
電話/FAX(01392)2-2534
昭和43年、曹洞宗願応寺を運営主体として無認可保育所開設、昭和47年に法人化されました。定員45名(0~5歳児)に対して現在園児は30名。少子化の波は木古内でも深刻です。園では音楽に親しみ楽器演奏を楽しむ方法を取り入れています。演奏が上手な子も下手な子もみんなで一緒にやることによって進歩していく、子どもたちの連帯感を育てるのが目的です。現在は運動療法士さんの指導のもと、いろんな運動やリズム体操、英語遊びも取り入れて音楽を楽しんでいます。地域のお祭りや文化祭に参加して披露するなど、地域交流も盛んに行われています。