小さな旅

花とみどりのガーデン・シティ初夏の花のまち・えにわ

北海道有数の来客数を誇る道の駅、美しく整備された庭園の中のビール工場、花いっぱいのショッピング・ストリート、緑ゆたかなエコロジー・テーマパーク、田園風景やグルメスポットも魅力の初夏の陽射しあふれる恵庭市の旅。

(1) (4)著名な庭園デザイナーがテーマ別に設計した庭園(えこりん村「銀河庭園)
(2) 札幌ビール北海道工場
(3) えこりん村「みどりの牧場」のアルパカ

地元の新鮮野菜がそろう北海道有数の道の駅

  札幌から車で約1時間。「花のまち」として全国的に知られるようになった恵庭市へやって来た。今回は「花」をメインテーマに、恵望園の松岡めぐみさんと玉川真知子さんの案内で初夏の恵庭市をめぐる。
  道と川の駅「花ロードえにわ」は、国道36号線と漁川の交差点に位置する。平成18年7月の開館以来、来館者数が累計1000万人を突破した北海道有数の道の駅だ。センターハウスの無料休憩所コンサバトリー(温室)は、ガラスの天窓から初夏の陽射しが降りそそぐ開放的な空間。地産地消にこだわったメニューを提供するフード工房、恵庭産の特産品や土産品がそろうショップ「8760(花ロード)」、常時60種類もの焼きたての菓子パンや調理パンを提供するベーカリー工房「カリンパ」、漁川河畔の多目的広場「ウォーター・ガーデン」など、コンセプトである花・水・緑にあふれている。地元の花と野菜の直売所「花野菜(かのな)」は、野菜市場と呼びたいほどの品揃え。松岡さんの実家で育てたズッキーニも並んでいる。新鮮な野菜を求めて地元の人たちはもちろん、恵庭市内のレストランの料理人、札幌をはじめ近隣の町からも人が押しかける。広い駐車場がいっぱいになるほど、道の駅の約9割は野菜直売所にやって来るお客さんだとか。

道の駅の庭園も花がいっぱい
道の駅の庭園も花がいっぱい
恵庭産の野菜が豊富に並ぶ野菜直売所「花野菜」
恵庭産の野菜が豊富に並ぶ野菜直売所「花野菜」
道の駅の無料休憩所「コンサバトリー」
道の駅の無料休憩所「コンサバトリー」

美しく広大な庭園の中のサッポロビール北海道工場

  JRの無人駅、サッポロビール庭園駅の目の前、36万m2という広大な敷地の内に、サッポロビール北海道工場が建っている。事前に工場見学を予約しておいたので、まっすぐ受付へ。工場見学では、ガイドさんの案内で仕込みから瓶・缶詰め、パッケージング、搬入までのビール製造の過程を見学できる。完全オートメーション化された流れ作業は、近未来のロボット工場を見ているよう。北海道限定ビール「サッポロクラシック」は、この工場だけで生産されているのだとか。残念ながら製造工程は撮影禁止。企業秘密があるのかもしれない。見学後は試飲タイム。サッポロ生ビール黒ラベルとサッポロクラシックを1杯ずつ味わえる。早速できたての生ビールで乾杯だ。取材後の夕方、車で帰宅するという松岡さんはノンアルコールビールだった。先ほどガイドしてくれた女性が、おいしいビールの注ぎ方をレクチャーしてくれた。
  工場内は、ショップ、レストランのほか、光の庭や遊歩道、パークゴルフ場、コイやフナが泳ぐ池を季節の草花が彩るビオトープ園などがある。見学の前後に時間があれば庭園を散策するのもいいだろう。まさに「工場という名の美術館」と呼ぶにふさわしい工場だ。

工場見学はここからスタート
工場見学はここからスタート
見学後の試飲タイム。生ビールとノンアルコールビールで乾杯
見学後の試飲タイム。生ビールとノンアルコールビールで乾杯

個性豊かな庭園が広がるエコ・テーマパーク

  えこりん村は、自然や動物とふれあえる広大なエコロジー・テーマパークだ。無料エリア「とまとの森」「花の牧場」「レストラン」と有料エリア「銀河庭園」「みどりの牧場」に分かれている。無料エリアの花の牧場では、ガーデニング用品や花の苗、植木などを販売している。バラ講座やハーブ講座、土作りなど庭づくりに役立つ講習会も定期的に開催されている。
  個人的に興味があったのが「トマトの森」だ。1本の木から1万7千個ものトマトが取れるなんて想像もつかない。しかも特殊な品種ではなく普通のトマトの株だというから驚きだ。この木は、世界一大きなトマトの木として世界記録に認定されている。
  銀河庭園には個性豊かな30のテーマガーデンがあり、約1000種の植物が四季折々の花を咲かせる。様々なタイプのツリーハウスも点在する。世界の著名なガーデナーが手がけた庭も多い。
  みどりの牧場は、アルパカやリャマ、羊などの動物とふれあえる広場。牧羊犬が羊の群れをみごとに統率する「みどりの牧場ショー」、「羊レース」、トラクターが引っ張る客車に乗って普段は入れない牧草地をめぐる「ファームツアー」などが人気だ。

園芸用品がそろう、えこりん村の花の牧場
園芸用品がそろう、えこりん村の花の牧場
銀河庭園
銀河庭園
園芸用品がそろう、えこりん村の花の牧場
園芸用品がそろう、えこりん村の花の牧場
1匹の牧羊犬が羊の群れを自在に操る
1頭の牧羊犬が羊の群れを自在に操る

野菜食べ放題レストランと花いっぱい恵み野商店街

  昼食は、えこりん村内の森のレストラン「Ten-Man(天満)」へ。恵庭産をはじめ道産野菜をふんだんに使ったビュッフェスタイルのランチが人気だ。3種類のハンバーグからメインディッシュを選んで、後は野菜料理、パン、パスタ、スープ、ドリンク、デザートが食べ放題。料理の一つひとつに健康と美容に役立つヘルシー情報カードが付いている。「ここに来ると子どもが野菜を良く食べてくれる」と喜ぶお母さんも多いとか。
  恵み野商店街は、「花のまち恵庭」を象徴する商店街。通称「やすらぎストリート」と「花さんぽストリート」の約700mの通りに36ヵ所の花壇を2年かけて整備し、ガーデン・ギャラリーを完成させた。商店街に隣接する住宅街の庭もみごとだ。個人宅の庭を公開する「オープンガーデン」を北海道に広めたのも恵庭市だとか。一際みごとな庭で春の花から夏の花へ植え替えをしているおばさんに出会った。散策の目的を話すと、快く撮影させてくれた。
  恵庭市街から道道117号線(恵庭岳公園線)を支笏湖方面に車で約20分。緑のふるさと森林公園やえにわ湖を過ぎると、恵庭渓谷に三段の滝、マルラナイの滝、白扇の滝の3つの滝が点在している。秋の紅葉スポットとして名高い恵庭渓谷だが、緑したたる夏の青もみじの景観も清々しい。
  例によって今回も駆け足の取材になった。もう少しゆったり花のまちを堪能したいと思った恵庭市の旅だった。

森のレストラン「Ten-Man」
森のレストラン「Ten-Man」
営業時間/11:00~21:00
(11月~3月は~16:00)
年中無休
電話(0123)39-2051
個人宅のオープンガーデン
個人宅のオープンガーデン
恵庭渓谷「白扇の滝」
恵庭渓谷「白扇の滝」

恵庭の旅マップ

恵庭の旅マップ
道と川の駅「花ロードえにわ」外観
道と川の駅「花ロードえにわ」

■営業時間 /  9:00~19:00
(11月~3月は17:30まで)
■定休日 /  年末年始(12/31~1/2)
■お問い合わせ /  (0123)37-8787
サッポロビール北海道工場外観
サッポロビール北海道工場

■見学無料
■見学時間 /  60分
(10:00~16:00の毎時00分スタート)
■休館日 /  月曜日
(祝日の場合は翌日)
年末年始および特別休館日あり
■予約窓口 /  (011)748-1876
(11:00~17:00)
えこりん村
えこりん村

■営業期間 /  4月27日~10月31日
■営業時間 /  9:30~17:00
(10月は16:00まで)
有料エリア「銀河庭園&みどりの牧場」
■入場料 /  大人1,200円
中学生以下600円
(大人1名につき中学生以下5名まで
無料)
■お問い合わせ /  (0123)34-7800
社会福祉法人 恵望会 外観

社会福祉法人 
恵望会

恵庭市柏木町429番地6
電話(0123)33-2388 FAX(0123)33-2397

特別養護老人ホーム恵望園/地域密着型特別養護老人ホーム恵望園はなえにわ
ショートステイサービス/恵望園デイサービスセンター
恵庭市こがねデイサービスセンター/恵望園居宅介護事業所

プロの職人さんが目の前で寿司を握ってくれる寿司行事
プロの職人さんが目の前で寿司を握ってくれる寿司行事
「すずらん踊り」を披露してくれる町内会の皆さん
「すずらん踊り」を披露してくれる町内会の皆さん
「神輿渡御」とを披露してくれる町内会の皆さん
「神輿渡御」を披露してくれる町内会の皆さん
  昭和52年、法人設立。翌53年に特別養護老人ホーム恵望園を開設し、入所定員を増員しながらデイサービスセンター、ショートステイ等を増設。地域包括支援センターを恵庭市より受託するなど事業を拡充してきました。
  恵庭市の南西、市街地を一望する市内唯一の高台にあり、周辺は緑ゆたかな環境に恵まれています。高齢者の方々に伸び行く故郷を眺めながら豊かな老後を送っていただきたいという思いから、法人名にも施設名にも「恵望」の名が付けられています。
  「法人の歴史は長いんですけど、平成26年に平屋から4階建てのユニット型個室施設に変わって、個人ケアということでは新たにスタートラインに立ったところだと思います」。人材は確保しました。伊藤靖明施設長は、次のステップとして職員研修、特にリーダークラスの研修制度を充実させることに取り組んでいる最中だといいます。
  「自信をもって自慢できるところがないのが実情ですが、リーダークラスを中心に改革に取り組む姿勢を示せているということは言えると思います」。トップダウンで決めるのではなく、新しい世代の職員の意見を聞きながら一緒に取り組んでいける施設づくりを進めています。「市内で一番古い高齢者介護施設として、誰もが恵望園に入所したい、ここで働きたいと思える、みんなから選ばれるような施設を目指していきたい」と改革に意欲を見せています。

 

恵庭市のおもな社会福祉施設
恵庭社協のマスコットキャラクター「スマイリー」
恵庭社協のマスコットキャラクター「スマイリー」
ふれあいサロン研修交流会
ふれあいサロン研修交流会

社会福祉法人 恵庭市社会福祉協議会

恵庭市末広町124  恵庭市福祉会館内
電話(0123)33-9436 FAX(0123)33-9709
昭和31年、恵庭町社協創立。同43年法人許可。同45年市制施行に伴い恵庭市社協と改称しました。「新しい事業としては、訪問相談事業を始めました。ひとり暮らしの方や高齢者宅を訪問員二人が定期的(年に2回)に訪問しています」。携帯端末を貸出し緊急時に対応する緊急通報システム事業では「緊急時の通報以外にも、定期的に電話して日々の生活や体調の変化などの近況を把握しています」。ボランティア活動に対し1時間1ポイント=100円(年間最大50ポイント)を換金または寄付できる事業も行っており、高齢者の介護予防を支援しています。

地域サポートセンターすとりーむ 外観
平成27年4月開設「地域サポートセンターすとりーむ」
題名「山・海・空」最高齢84歳の利用者さんの作品
題名「山・海・空」最高齢84歳の利用者さんの作品

社会福祉法人 恵庭光風会

恵庭市新町30-3
電話(0123)32-8000 FAX(0123)32-8181
障がい者支援施設恵庭光と風の里/多機能型事業所光と風の里恵み野西/共同生活介護・援助事業所光風荘(グループホーム8ヵ所)/地域サポートセンターすとりーむ(5ヵ所)
昭和53年、法人設立。同55年、恵庭光と風の里が開設されました。就労継続支援B型施設の野菜工場「あぐり耕房そだてらす」では、リーフレタスや水菜などフレッシュな葉物野菜を育て恵庭近郊の飲食店やホテルに届けています。昨年の水害時にも価格変動がなく安定供給できる施設の野菜は需要が増えました。また、絵画などの創作活動にも力を入れており、要請を受けてフランスで展示されたり、美術の教科書に採用された絵画もあります。施設のカレンダーにも利用者さんの絵画が使われています。

ふる里えにわ  施設外観
ふる里えにわ  施設外観
敬老会でよさこいソーランを披露する島松いちい保育園の園児たち
敬老会でよさこいソーランを披露する島松いちい保育園の園児たち

社会福祉法人 健美会
地域密着型特別養護老人ホーム ふる里えにわ

恵庭市島松本町4丁目9-5
電話(0123)21-8855 FAX(0123)21-8105
平成23年法人設立、翌24年に特養を開設しました。地域の有志の方々がお金を出し合って法人を立ち上げ、理事、評議員として運営する地域の思いが詰まった施設です。「利益が出たら職員に還元しようという考え方ですから、役員の方々は一切報酬を受け取っていません」と米山利史施設長。「職員が働きにくい職場は、入居者にとっても暮らしにくい場所である」と考え、職員から「気づきシート」を毎月募集し様々な業務改革に取り組んでいます。「新しい施設のため、小さな声を現場に活かせるところが施設の特徴です」とのこと。毎月の職員研修にも力を入れています。

島松いちい保育園  園舎
島松いちい保育園  園舎
園庭の畑で栽培活動
園庭の畑で栽培活動

社会福祉法人 水の会 島松いちい保育園

恵庭市島松本町4丁目10-1
電話(0123)36-8297 FAX(0123)36-8400
平成23年、恵庭市の委託を受け40年の歴史のある「市立なのはな保育園」の運営を引き継ぎ公設民営として開園。平成28年より完全民営となり、園の名前も改称しました。園では、法人の理念である「自然から学ぶ」を実践するため畑を重視しています。今年度はすべて子どもたちが作ったジャガイモ、ニンジン、玉ネギを使ってカレーを作ります。運動会などでもストーリー性を持たせるのが園の特長。今年度のテーマは『スイーツ村でおまつり』でした。「発表するために練習するのではなく、日々のごっこ遊びが運動会につながっています」。

就労支援事業所「恵庭」施設 外観
就労支援事業所「恵庭」施設 外観
最高級小麦を使ったくるみパンと角食パン。味には絶対の自信を持っています。
最高級小麦を使ったくるみパンと角食パン。味には絶対の自信を持っています。

社会福祉法人 恵正会 就労支援事業所 恵庭

恵庭市牧場388-2
電話(0123)32-8400 FAX(0123)32-8401
平成16年6月開設。以前、施設の一品で皮革製品を紹介した登別市の『すずかけ』も同法人の施設です。『恵庭』ではパン作りを行っています。配達区域は恵庭市、北広島市、千歳市。ほかに、月曜日から木曜日の昼に市内の専門学校や文教大学、第2・第4水曜日は恵庭郵便局でも販売しています。恵庭市はパン屋が多くて競争は厳しいと言いながら「最高級の小麦粉を使っていますので、食パンなら負けないぞって気持ちはあります。
うちのパンを食べたら他のは食べられない、と言ってくださるお客さんもいるんですよ」と胸を張ります。