小さな旅

発見・体験!秋のかみしほろ

日本一広い公共牧場ナイタイ高原牧場、源泉かけ流し温泉が魅力のぬかびら源泉郷、北海道遺産のコンクリートアーチ橋梁群、夏と冬に開催される熱気球フェスティバル。東大雪に位置する上士幌町の魅力をさぐる旅。

★紅葉する東大雪の森に映える第三音更川橋梁 (★は上士幌町観光協会提供)

雄大な景観が広がるナイタイ高原牧場

  十勝地方の北部、大雪山国立公園の東山麓に位置し、町内の約76%が森林地帯という自然豊かな上士幌町。ふるさと納税は全国有数で、町の魅力の一端がうかがわれる。今回案内してくださるのは居宅介護支援事業所ひまわりの河田洋子さんと上士幌すずらん荘の渡辺瑞世さんだ。お二人は上士幌町の自然にひかれて都会から移住してきたのだという。
  酪農の盛んな上士幌町を印象付けるナイタイ高原牧場は、公営牧場としては日本一の広さを誇る。総面積は約1700ha(東京ドーム358個分)。牧場の入口に到着してもレストハウスのある展望台までは、牧場の中を7㎞、車で10分は走る必要がある。
  標高約800mの展望台からは、思わず息を飲む広大な眺めが広がる。目の前には広大な緑の牧場、眼下に十勝平野の農作地帯、東大雪の緑の山々、天気が良ければ阿寒の山並みまで見渡せる。十勝ナイタイ和牛を使ったハンバーガーやアイスクリームなど、さまざまな地元グルメを楽しめるレストハウスは、平成27年の強風被害により全壊。仮設店舗で営業していた。

見わたす限り牧草地が広がるナイタイ高原牧場
見わたす限り牧草地が広がるナイタイ高原牧場

ふるさと納税でも人気ハチミツとアイスクリーム

  市街地に戻ると熱気球が上がっていた。上士幌のイメージキャラクターほろんちゃんの気球だ。ぜひ熱気球を見たいと思っていたのでラッキーだった。
  市街地にある十勝養蜂園は、ミツバチの飼育からハチミツ採取、販売まで一貫生産の国産純粋ハチミツ店だ。ハチミツは、アカシア、クローバー、さくら、ソバなど8種類。花の種類によって味も香りも違うので試食して選べるのがうれしい。料理におすすめというアカシアと少しクセはあるが香りのいい菩提樹(シナ蜜)をお土産として購入した。
  上士幌すずらん荘の近くにドリームドルチェがある。酪農牧場ドリームヒル直営のアイス工房だ。原材料に卵は一切使われていないので、搾りたての生乳の美味しさを存分に味わえる。乳脂肪分2倍の濃厚なミルク、まろやかなアイスと甘酸っぱい果実がマッチしたいちじくとなめらかなかぼちゃプリンをダブルでいただく。どれも期待に違わぬ美味しさだ。店内の内装もすっきりしていて居心地がいい。

「ほろんちゃん」の熱気球
「ほろんちゃん」の熱気球
通常基準よりも糖度が高い十勝養蜂園のハチミツ
通常基準よりも糖度が高い十勝養蜂園のハチミツ
シンプルな内装で居心地がいいドリームドルチェ
シンプルな内装で居心地がいいドリームドルチェ
シンプルな内装で居心地がいいドリームドルチェ

源泉かけ流しの温泉ぬかびら源泉郷

  糠平湖畔に位置するぬかびら源泉郷は、大正8年に開湯された温泉郷。平成19年に源泉かけ流し宣言を行い、2年後には糠平からぬかびら源泉郷に地名変更された。小さな温泉街ながら24の源泉を有するこだわりの名湯だ。温泉街のヤマモミジが紅葉しはじめていて、山間の温泉郷に秋の風情を添えていた。
  廃線となった旧国鉄士幌線の糠平駅跡地に上士幌町鉄道資料館がある。士幌線が廃線となった1988年に開館され、鉄道用具や備品、鉄道模型、当時の写真などが多数展示されている。運転席から撮影した帯広駅から糠平駅までの映像が大型スクリーンで見られる。開館当時、管理人をしていたという河田さんと上士幌に移住してきた当時、士幌線に乗ったことがあるという渡辺さんが盛んに懐かしがっていた。屋外には車掌車や信号機が展示され、足こぎトロッコで走るひがし大雪高原鉄道の発着所になっている。
  温泉街の東端に位置するひがし大雪自然館は、「ビジターセンター」と「ひがし大雪博物資料館」からなる複合施設。木をふんだんに使った建物は窓が大きくて明るく開放的だ。ビジターセンターでは、東大雪国立公園の山々や多様性に富んだ生態系をグラフィックパネルと剥製標本を使って紹介している。博物資料館の見どころは、約5000点にもおよぶ昆虫標本。特に色とりどりの蝶の標本は圧巻で見応えがある。

旧国鉄士幌線の思い出を大切に保存する上士幌町鉄道資料館
旧国鉄士幌線の思い出を大切に保存する上士幌町鉄道資料館
剥製標本が多く、大雪の動物たちを身近に感じられるひがし大雪自然館
剥製標本が多く、大雪の動物たちを身近に感じられるひがし大雪自然館
紅葉がすすむ秋のぬかびら源泉郷のたたずまい
紅葉がすすむ秋のぬかびら源泉郷のたたずまい
ひがし大雪自然観の見どころの一つ、世界の蝶の標本
ひがし大雪自然観の見どころの一つ、世界の蝶の標本

道内国道の最高地点・三国峠とアーチ橋梁群

  昼食は道内の国道最高地点(標高1139m)に位置する三国峠のカフェへ立ち寄る。目の前にニペソツ山、ウペペサンケ山がそびえ、眼下のトドマツやエゾマツ、ダケカンバなどの雄大な樹海が色づきはじめている。樹海を横切る赤い松見大橋が美しい。三国峠cafeで評判のカレーライスと自家焙煎ハンドドリップコーヒーを味わう。カフェラテにはミルクでウサギ、リス、クマなど一人ずつ違うカフェラテアートが描かれ、飲んでしまうのが惜しいくらいだった。
  糠平湖を中心に国道273号線沿いに旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群が残されている。大小60にも及ぶアーチ橋のうち34の橋と線路跡を上士幌町が取得し保存している。建設にあたっては大雪山国立公園の美しい自然との調和を考慮したというだけあって、みごとに東大雪の森に溶け込んだアーチ橋は美しく威厳すら感じさせる。
  アーチ橋梁群の中で一番美しいといわれるタウシュベツ川橋梁は、季節によって糠平湖に浮き沈みする幻の橋。この日は、前日までの雨の影響で橋脚まで水位が上がっていた。湖面が凍結する厳冬期には、氷を頭に乗せた切り株が湖底から姿を現し、きのこ氷と呼ばれ観光の目玉となっている。
  糠平湖畔の三の沢駐車場横に森のトロッコ鉄道エコレールがある。木製の車両に自転車を取り付けた手づくり感満載の何とも可愛らしい足こぎトロッコだ。鉄張りレールを導入したことで足こぎ負担も大幅に軽減され、5歳児でも楽にペダルをこぐことができる。廃線跡を往復1㎞約20分の行程は、大人には少し物足りないかもしれないが、小さな子ども連れの家族にはちょうどいい距離かもしれない。
  上士幌町は見どころも多く、美味しいものも多い。移住者が多く、ふるさと納税が多いのもうなずけるのどかな山間の町だった。

三国峠のカレーライスはボリュームもたっぷり
三国峠のカレーライスはボリュームもたっぷり

三国峠cafe
三国峠cafe
営業時間/8:30~17:30
(4月下旬~11月上旬:無休)
電話01564-4-2224
(上士幌町観光協会)
インスタ映えしそうな三国峠のカフェのカフェラテアート
インスタ映えしそうな三国峠のカフェのカフェラテアート
老朽化がすすみ崩壊の危機にあるタウシュベツ川橋梁
老朽化がすすみ崩壊の危機にあるタウシュベツ川橋梁
上士幌の冬の風物詩きのこ氷
上士幌の冬の風物詩きのこ氷
木製の手づくりトロッコ
木製の手づくりトロッコ

かみしほろの旅マップ

かみしほろの旅マップ

森のトロッコ鉄道エコレール
森のトロッコ鉄道エコレール

■料金 / 【2人以上の場合】
小学生以上600円
3~6歳300円  2歳以下無料
【1人の場合900円】
■営業日時 / 4月29日~11月3日
(9:30~最終受付16:00)
■休館日 / 水曜日
(祝日の場合は営業)
(9:30~最終受付16:00)
■お問い合わせ /  080-3290-9684
上士幌町鉄道資料館
上士幌町鉄道資料館

■入館料 /  100円
■営業日時 /  4~10月の
9:00~16:00
■定休日 /  月曜日
(7、8月は無休)
■お問い合わせ /  (01564)4-2041
ひがし大雪自然館
ひがし大雪自然館

■入館料 /  無料
■営業時間 /  9:00~17:00
■定休日 /  水曜日
(祝日の場合は翌日)
■お問い合わせ /  (01564)4-2323
上士幌町鉄道資料館
イベント
北海道バルーンフェスティバル

夏(8月)と冬(2月)の年2回開催される上士幌のビックイベント。冬は「上士幌ウィンターバルーンミーティング」という。

■開催場所/上士幌航空公園
社会福祉法人 上士幌福寿協会 外観

社会福祉法人 
上士幌福寿協会

河東郡上士幌町字上士幌東2線242
電話(01564)2-4632 FAX(01564)2-4630

特別養護老人ホーム上士幌すずらん荘/デイサービスセンター/認知症高齢者グループホームむかし館/ホームヘルプサービス事業/居住介護支援事業所ひまわり/地域密着型特別養護老人ホームこまくさ苑/小規模多機能型居住介護まつば/地域交流スぺースこでまり

地域の方たちと協力して作ったアイスキャンドルが施設を彩る
地域の方たちと協力して作ったアイスキャンドルが施設を彩る
地域の方たちも参加する盛大な夏祭り
地域の方たちも参加する盛大な夏祭り
誤嚥が原因で肺炎になる危険がある高齢者のためのムース食。手間がかかり、一日5、6食が限界だそうです。
誤嚥が原因で肺炎になる危険がある高齢者のためのムース食。手間がかかり、一日5、6食が限界だそうです。
誤嚥が原因で肺炎になる危険がある高齢者のためのムース食。手間がかかり、一日5、6食が限界だそうです。
  昭和61年、法人設立。翌62年に特別養護老人ホーム上士幌すずらん荘を開設しました。その後、訪問介護事業、通所介護事業を展開し、法人の施設一帯を「やすらぎの里」と総称しています。
  法人では個別ケアの充実を図るため平成15年、特養にユニットケアを取り入れました。導入のきっかけは、住宅ケアを担当していた職員が施設に異動になった際にケア内容の違いに気づいたことでした。以来、「利用者本位のサービス提供と自立支援を目指して」という法人の理念を大切に職員一丸となって取り組んでいます。
  平成27年に開設した地域交流スペースこでまりは、設計段階から地域の方たちも参加。職員と一緒に「ほっこり仲間の会」を立ち上げ、勉強会を毎月開催しています。現在、毎週水曜日に「かあちゃんばーちゃん野菜市」、第2・4水曜日は「気まぐれ食堂」を農家の方が運営、第3水曜日は職員が中心となってバイキング方式の「裏めし屋」を500円で実施。また、2月には入所者に喜んでいただこうと恒例となったアイスキャンドルを作製しています。
  咀嚼・嚥下が困難な高齢者のためのムース食には驚きました。普通食を一品一品ミキサーにかけ、成形し直した技術も根気もいる作業です。栄養士の渡辺瑞世さんや調理員が手間をかけ、見た目も味も普通食と変わらない見事な出来栄え。全国高齢者ケア研究会で発表し、表彰されています。

 

士幌町のおもな社会福祉施設
中士幌児童ステーション施設外観
中士幌児童ステーション施設外観
東日本大震災支援に4回も出動した子育て支援カー「ぱんぷきん号」
東日本大震災支援に4回も出動した子育て支援カー「ぱんぷきん号」

社会福祉法人 温真会

河東郡士幌町字中士幌西2線80-25
電話(01564)7-4446 FAX(01564)7-4447
中士幌児童ステーション(なかしほろ保育園・士幌町子育て支援センター・中士幌児童センター・巡回児童ステーション)/札内青葉保育園

  昭和26年に保育事業開始(法人認可は昭和46年)以来、保育園、子育て支援センター、児童センター、学童保育、巡回児童館などで子育てを総合的に応援しています。その象徴的な施設が、平成13年に建設した日本初の総合児童施設「児童ステーション」です。一つ屋根の下、0歳から18歳までの子どもと保護者、地域住民が垣根なく交流し、子育てを核に新しいコミュニティーの創造を目指しています。また、日本初の移動保育車「子育て支援カー」を開発し、その機動力を活かして地域くまなく子育て支援を行っています。

ケアハウスしほろ愛風苑施設外観
ケアハウスしほろ愛風苑施設外観
認定こども園の子どもたちとじゃんけん大会で盛りあがる
認定こども園の子どもたちとじゃんけん大会で盛りあがる

社会福祉法人 士幌愛風会

河東郡士幌町字士幌西2線169-5
電話(01564)5-3000  FAX(01564)5-2181
ケアハウスしほろ愛風苑/士幌デイサービスセンター/ヘルパーステーションしほろ/愛風会小規模多機能施設なごみ/士幌愛風会居宅介護支援事業所

  北海道内で2番目の軽費老人ホーム(ケアハウス)の設置を計画し、平成3年、法人設立。翌4年、ケアハウスしほろ愛風苑と士幌デイサービスセンターを開設しました。地域の保健・医療・福祉の各施設を集約した福祉ゾーン「福祉村」に位置します。施設の大浴場は温泉を利用しており、利用者に大好評。施設の隣には認定こども園があり、普段見かける子どもたちの様子や交流なども楽しみの一つになっています。現在は開設後25年以上経過した施設を、利用者が快適に過ごせるよう設備の改善に取組んでいます。