小さな旅

知られざる豊頃、浦幌の魅力 冬の南とかち再発見の旅

豊頃町は今やハルニレの木だけではない。 SNSで拡散し大ブームとなっているインスタ映えNo.1のジュエリーアイス。浦幌町のユニークなおっぱい神社などあまり知られていない二つの町の魅力を探るため南十勝へ行ってきた。

朝日を受けてオレンジ色に輝くジュエリーアイスと冬のハルニレの木

豊頃町

町のシンボルといえばやはりハルニレの木だ

  帯広駅から車で一路南へ。十勝地方の東南端に位置し、太平洋に面した二つの町、豊頃町と浦幌町へと向かった。
  豊頃町の市街地に行く前に、鉄道ファンに人気が高いJR十弗駅に立ち寄る。明治44年に開業した駅で、木造駅舎の無人駅だ。十弗駅は「弗」の字が「$」に似ていることから、別名「10ドル駅」とも呼ばれている。お札には「10$持って旅に出よう、きっといいことが待っている。」のキャッチフレーズが書かれていた。
  豊頃町と聞いて真っ先に思い浮かぶのはハルニレの木だ。まずはCMやポスターでもおなじみの町のシンボル、ハルニレの木を訪ねてみることにしよう。
  国道38号線の豊頃大橋の手前から十勝川に沿って南に走ると、広い牧草地にすっくと立つ2本のハルニレの木が見えてくる。その一つは2本の木が一体化したもので、推定樹齢は140年だとか。2本の木が夫婦かどうかはわからないが“連理の枝”という言葉を連想した。冬空に向かって枝をいっぱいに伸ばした大木だが、葉はすっかり落ちてしまっている。駐車場には2階建ての休憩施設「ハルニレハウス」(12月~3月まで休館)があり、ハルニレの写真などを展示している。
  豊頃市街の中心部に生涯学習施設「える夢館」がある。館内には郷土資料が充実した図書館、300席以上の大ホールを備えている。2階の歴史の森には「子どもの遊び」「娯楽」のコーナーもあり、子どもたちも楽しみながら豊頃の歴史や昔の生活様式が学べる。
  豊頃町の二宮地区には二宮尊親(二宮尊徳〈金次郎〉の孫)の碑が立っている。明治30年福島県から興復社一行を率いて二宮地区に入植し、十勝開拓に大きな役割を果たした人物だ。すぐ近くに旧二宮小学校を利用した二宮報徳館があり、開拓当時の報徳の教えをうかがい知ることができる。十勝川の河口の大津海岸には「十勝発祥之地」と刻まれた石碑が立っている。十勝の開拓は大津地区からはじまり、十勝川をさかのぼるように内陸に向けて開拓が進められたのだという。

10ドル札を模したユニークな十弗駅の看板
10ドル札を模したユニークな十弗駅の看板
ハルニレの木見学の休憩施設「ハルニレハウス」
ハルニレの木見学の休憩施設「ハルニレハウス」
える夢館 外観
える夢館 外観
二宮尊徳の伝記など資料が充実した図書館
二宮尊徳の伝記など資料が充実した図書館
える夢館2階の歴史の森
える夢館2階の歴史の森
十勝開拓の祖、二宮尊親の像
十勝開拓の祖、二宮尊親の像
旧二宮小学校跡の二宮報徳館
旧二宮小学校跡の二宮報徳館
大津海岸沿いに立つ十勝発祥之地の碑
大津海岸沿いに立つ十勝発祥之地の碑

冬の新しい観光スポット ジュエリーアイス

  昼食は町の中心部の「レストランいしだ」へ。「豚丼とチャーハンを一緒に食べたい」というお客さんのリクエストで生まれた「豚チャーハン」は、ボリューム満点の一品。40年来の人気メニューだ。札幌のオータムフェストで好評を博したという。
  冬の新しい観光スポットとして注目を集めているのが大津海岸でしか見られないジュエリーアイスだ。十勝川でできた氷が太平洋に流れ出し、海岸に打ち上げられたもの。波にもまれるうちに角が取れて、透き通ったクリスタルのような氷になる。氷がオレンジ色に染まる日の出の時間帯が狙い目だとか。ケルンのように積み上げて撮影する人など、観光客は思い思いに「ジュエリーアイス」を楽しんでいる。今では帯広のホテルなどから観光ツアーが組まれているところもあるというから要注目だ。

「豚チャーハン」は、ボリューム満点の一品。
「豚チャーハン」は、ボリューム満点の一品。
豊頃市街の冬のイルミネーション
豊頃市街の冬のイルミネーション
ジュエリーアイスができるまで
ジュエリーアイスができるまで

浦幌町

ユニークなおっぱい神社

  国道38号沿いにある道の駅「うらほろ」は土産物屋、農産物直売場やレストランなどがある。建物自体は小さいが、カラマツ材がふんだんに使われていて優しいぬくもりが感じられる。陳列棚には手作りのパンや大福、地元の野菜などがぎっしり並んでいた。
  道の駅の裏手にはうらほろ森林公園が広がっている。野球場、サッカーなどのスポーツ施設、バーベキューハウス、オートキャンプ場などがある広大な公園だ。
  国道38号線沿いの浦幌市街を見下ろす小高い場所に浦幌神社の立派な社殿がある。その右側の小さな社殿が「乳神神社」だ。浦幌町の森の奥で乳房のような二つのこぶを持つナラの老木を見つけた老婆が「孫のため、母親に乳を授けたまえ」と祈願したところ、願いが成就したというのが由来だとか。「乳授姫大神(ちちさずけひめのおおかみ)」という神様が祀られ、子宝・安産・縁結び・病気平癒(婦人病)の守護神「おっぱい神社」と呼ばれて親しまれている。すぐそばの乳石殿という祠に乳房型の自然石「乳石」が祀られていて、触れると御神徳が授かるとか。浦幌神社は鐵馬と書かれたお守りがあり、オートバイの交通安全祈願の神社としても知られている。

浦幌らしい博物館と美肌の湯「天然美容液」

  浦幌町役場の隣、図書館と併設して浦幌町立博物館がある。鳥類の剥製や民具、縄文土器などがわかりやすくきれいに展示されている。廃止された上厚内駅に関する展示や閉店した町内の名物中華料理店の丼や蓮華まで展示されているのは、いかにも地元に密着した郷土博物館らしくてほほえましい。入場無料だが見応えは十分にある。
  浦幌駅から北へ向かって車で約20分ほどの山間にうらほろ留真温泉がある。道内トップクラスの高いアルカリ性の泉質で、古い角質を落とし、肌がつるつるになる美肌の湯として定評がある。この湯はその名も天然「美容液」と呼ばれているほどだ。

建物は小さいが浦幌の特産物が充実した道の駅
建物は小さいが浦幌の特産物が充実した道の駅
建物は小さいが浦幌の特産物が充実した道の駅 内観
おっぱい神社と呼ばれる乳神神社
おっぱい神社と呼ばれる乳神神社
乳石殿
乳石殿
浦幌町立博物館の縄文土器
浦幌町立博物館の縄文土器
浦幌町立博物館のアオサギの営巣地の展示
浦幌町立博物館のアオサギの営巣地の展示
天然美容液と呼ばれる美肌の湯「うらほろ留真温泉」
天然美容液と呼ばれる美肌の湯「うらほろ留真温泉」

豊頃町、浦幌町の旅マップ

豊頃町、浦幌町の旅マップ
浦幌町のおもな福祉施設
はまなす園外観
はまなす園外観
浦幌神社の山車が施設を訪問
浦幌神社の山車が施設を訪問

社会福祉法人 うらほろ幸寿会

十勝郡浦幌町字北町7-23
電話(015)576-5252 FAX(015)576-5120
特別養護老人ホームはまなす園/
うらほろショートステイセンター/
うらほろデイサービスセンター/
うらほろ居宅介護支援センター

 
  平成6年法人設立。平成7年に特別養護老人ホームはまなす園を開設しました。入所定員は50名。平均4.26と介護度の高い利用者が多いといいます。施設内は広々とした設計で、高い天井、車椅子やストレッチャーが楽々すれ違える広い廊下には、はまなす通り、寿通りなどの名前がついています。特殊浴室には車椅子に座ったまま入浴できる浴槽、寝たきりの方も負担のかからないストレッチャー浴の浴槽を備え、職員の負担軽減にもなっています。ふれあい交流室は遠方から見えたご家族が1泊500円で宿泊できます。「50床の施設でこれだけの設備を備えている所はないと思いますよ」と上村健二施設長はちょっと自慢そうでした。