職員インタビュー
vol.133
職員インタビュー(社福)根室敬愛会 (介護福祉士)
ともに異業種から転職 通信教育で資格を取得
根室市で唯一の特別養護老人ホーム「はまなす園」で介護主任として働く野村えり子さん、大橋勇一さんは、ともに異業種から転職してきました。
「以前は父の仕事を手伝うために建築の仕事に従事していました」と話す大橋さんは、自らの道を切り開くために通信教育で介護福祉士の資格を取得。野村さんも通信教育を受講し、二人とも実習先がはまなす園だっ
たこともあり、野村さんが2000年に、大橋さんが2004年に同施設へ入職し、介護士としての一歩を踏み出しました。
「実習で自分より若い職員さんたちが排泄介助などの仕事に懸命に取り組む姿を見て、胸を打たれました。自分も彼らのように人の役に立ちたいと思ったことが、本気でこの仕事をめざした理由です」と野村さん。それから20余年が経ち、今は以前の美容関係の仕事とは180度違うこの仕事に、自らの適性を見出しています。
異なるタイプの施設で介護主任の職に従事
「はまなす園」は、従来の多床室型と、個室が並ぶユニット型の施設を擁しており、野村さんは多床室型、大橋さんはユニット型の施設に在籍しています。それぞれ20名以上のスタッフを抱え、介護主任である二人は、仕事の方針を決めるだけでなく、自身も現場に出て入居者さんとふれあうなど、忙しい毎日を送っています。
「スタッフが働きやすい環境をつくることが、入居者さんにより良いサービスを提供することにつながる」と考える野村さんは、始業時に一人ひとりの表情を見て、いつもと違う様子のときは声をかけるなど、スタッフへのケアも忘れません。
一方、ユニット型施設のオープンと同時に介護主任となった大橋さんは、新たな形のケアに一から取り組んできました。
「従来の多床室型と違って、複数の入居者さんの様子を一度に見られないのがユニット型の難しいところ。40名が入居する当施設ではユニットリーダーのもと、10名を1ユニットとしてケアしており、事故が起きないよう細心の注意を払って対応しています」と話しています。
地元に根を張る 高齢者福祉分野の担い手
施設では、生活の介助だけでなく、定期的にレクリエーションなども行っています。それを主導するのも介護主任の役目。
「外出レクを実施した際、生き生きとした表情の入居者さんたちを見て、心底やってよかったと思いました。入居者さんに喜んでいただくことが、私たちの喜びでもあります」と大橋さん。
ただ、入居者さん一人ひとりの思いを受け止め、それを叶えるのは一人の力だけでは不可能です。多くのスタッフの協力と連携があってこそ、より良い結果が生まれるのは介護の仕事も例外ではありません。
「亡くなる直前に、その入居者さんが切望していた自宅外泊をスタッフが一致団結して成し遂げたことは、忘れられない出来事です」と、野村さんは振り返ります。
野村さんと大橋さんは、実は高校の同級生。「都会と違い、近所の人とは親戚のような間柄で、入居されている方の中には昔からの知り合いもいます。顔見知りが多く、安心感がある環境で働けるのは、地元だからこそ」と、根室で働く理由を教えてくれた大橋さん。一方、野村さんは故郷の根室以外での暮らしを経験したいと思い、学校を卒業後、札幌へ。
「一度、根室を離れたことで人のあたたかさなど、地元の良さを実感することができました。抵抗感なく戻ってこられたのも、その経験があったからです」。
40代の二人は高齢者福祉分野の担い手として、地元に根を張り、地域の介護・福祉サービスを支えています。

(野村さん)

(大橋さん)


社会福祉法人 根室敬愛会
根室市有磯町2丁目19番地2
電話(0153)22-3711 FAX(0153)22-8674
特別養護老人ホーム はまなす園/ ユニット型特別養護老人ホーム はまなす園
はまなす園 短期入所生活介護事業所/ デイサービスはまなす
1980年4月5日に法人設立、同年5月15日に特別養護老人ホーム「はまなす園」を開設しました。1995年には短期入所生活介護事業所、居宅介護支援事業所在宅介護支援センター、老人デイサービスセンターを設け、地域の老人福祉を担う社会福祉法人へと成長を遂げます。2013年にはプライバシーを確保できるユニット型特別養護老人ホーム「はまなす園」を新設。現在、従来型46名、ユニット型40名、短期入所10名と、100名近い高齢者が入居しており、隣接する江村精神科内科病院と連携した医療体制を築いているのが特徴です。
また、介護士に喀痰吸引を学ぶための研修への参加を推奨するなど、スタッフのスキルアップを図り、入居者さんに質の高い介護サービスを提供できるよう努めています。起き上がることができない入居者さんはストレッチャーに乗ったまま、足が不自由な入居者さんは専用の車椅子を使って入浴できる浴室を設置するなど、設備も充実しています。

その他の記事を読む
-
Vol.132 2022. Autumn
職員インタビュー(社福)池田光寿会 特別養護老人ホーム池田光寿苑(ケアマネージャー)
介護の仕事に就いてから今年で18年目。現在、ケアマネージャーとして働く髙嶋さんのキャリアは、地元帯広から車で約1時間半のところにある広尾町の特別養護老人ホームから始まりました。
高校2年のある日、要介護5程度の状態だった曽祖母と過ごし、「何もできない自分がもどかしかった」と、介護技術の必要性を痛感。ゆくゆくは両親の介護にも役立つと思い、この道へ進むことを決めたそうです。
広尾の特養には4年ほど在籍し、家の事情で帯広へ戻ってきた髙嶋さんは、介護老人保健施設や有料老人ホームで、介護士としての経験を積み重ねていきます。その後、デイサービスの事業所に移り、生活相談員を務めたことで仕事の場も広がりました。 -
Vol.131 2022. Summer
職員インタビュー(社福)恵信福祉会 双葉保育園(保育士)
岩本さんが保育士を目指すことになったのは、中学の職業体験で保育園を訪れたのがきっかけ。「もともと子どもが好きだったこともあって、自分に向いているのではないかと感じました」と、当時を振り返ります。
身近な人が介護の仕事をしていたことから、一時は介護職に就くことも考えたそうですが、結果的に中学のときに抱いた思いを貫き、2018年に保育士としての一歩を踏み出しました。
それから4年。「保育士の資格を取るため、旭川の短大に進学しましたが、以前から〝就職は地元で〟と決めていたので、卒業後、故郷の幌加内町に戻ってきました」。そう話す岩本さんは、現在、自身も通った双葉保育園で保育士としての経験を積み重ねています。