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小さなたび

vol.-134

七飯の歴史と味、早春の大沼を訪ねる。春の道南ななえ町の旅

すっきりと青空に映える駒ケ岳と大沼

七飯町の歴史を語る
赤松、男爵いも、西洋りんご

渡島半島の南にあり、函館市から約16㎞に位置する七飯町に行ってきた。国道の大沼トンネルを境に、北部には活火山である秀峰駒ヶ岳や大沼・小沼などを抱える大沼国定公園がある。南部は、国道沿線が市街地となり、水田や畑作、果樹地帯が広がっている。
まずは、歴史や文化的価値を持つ「歴史国道」でもある「赤松街道」へ向かった。大中山の「あかまつ公園」駐車場に車を置いて歩いてみることにする。大中山から鳴川町までの約2㎞ほどの松並木が、樹木数も多く美しいと、町の観光ページに紹介されていたのだ。初夏から秋にかけてが一番美しいと言われているが、この時期でも十分に見応えがある。町木はもちろん赤松だ。
七飯町鳴川は男爵いもが誕生した地である。明治39年、函館ドック取締役だった川田龍吉男爵が試験栽培したのが始まりだとされ、「男爵いも発祥の地記念碑」が立っている。昼食は男爵いものメニューにしようかなと考えながら写真を撮った。
近くに「七飯町歴史館」があるので、立ち寄ることにした。常設展示の歴史ブロックでは、当地でケプロンやエドウィン・ダンら外国人が洋式農法を指導したことで、日本の近代農業発祥となった所以がわかる。民具・生活ブロックでは、往時の民家と牛舎が復元されている。また、農作業の様子や、歳時記をテーマに節句の飾りなどが、パネルやジオラマで展示されている。定期的に変わる企画展もあり、取材時は「旅」をテーマにした展示がされていた。
七飯町は西洋りんご発祥の地でもある。フルーツロードと呼ばれる町道沿いには多くの果樹園があり、町内ではりんごスイーツを楽しむことができる。移動の途中に「ピーターパン洋菓子店」を見かけたので、アップルパイを購入した。
「はこだてわいん葡萄館本店」を覗いてみた。工場に隣接する直売店だ。北海道産の原料にこだわった「北海道100シリーズ」や、ワイナリー限定商品もあり、10種類ほどが無料で試飲できるので、ワイン好きにはたまらないだろう。店内では爽やかなワインの風味が楽しめるソフトクリームも販売している。たまたま偶然に社長が店におり、ワインの話などを楽しく聞かせていただき、何本かのワインも購入して店を後にした。

樹齢150年余を誇る大木もある「赤松街道」
1942年に建立された「男爵薯発祥の地 記念碑」
七飯町歴史館内に復元された当時の暮らしの様子
ピーターパン洋菓子店
七飯産のりんごがたくさん入ったピーターパンのアップルパイ
はこだてわいん葡萄館

充実した道の駅と魅力あふれる男爵ラウンジ

道の駅「なないろ・ななえ」は、旅の疲れを癒す休憩スペースはもちろん、七飯の食材などを楽しめる「峠下テラス」や、新鮮な地元野菜を販売する農産物直売コーナーがある。道内の特産品や土産品を揃えた物産コーナーも充実している。西洋りんごの品種を紹介したディスプレイもされていた。イベントや催事を行う、高い天井が特徴の「セブンスリビング」の奥には、キッズスペースがある。また、道の駅裏には芝生の公園「ポケットパーク」も併設している。
「THE DANSHAKU LOUNGE」(男爵ラウンジ)は、道の駅の隣にある。先にも紹介した川田男爵が、アメリカから輸入した農耕具や生活用品など、約500点をおもに壁面展示している。2019年の「日本空間デザイン賞BEST100」に選出された魅力的な空間だ。空を舞うようなたくさんの紙は、若き男爵がイギリス留学時代に知りあった恋人ジェニーと交わしたラブレターのコピーだという。当時、一緒になれない事情が多々あり、結ばれることのなかった二人の思いがやるせない。
ショップコーナーでは、生活雑貨やギフトなど、独自にセレクトされたおしゃれなテイストの商品に出会える。
奥には開放的なレストランスペースがあり、薪を使ったライブキッチンで、道内・近郊地域の食材による料理を提供している。
昼食はここでとることにした。地元の大沼牛ステーキやハンバーグ、隣町・森町のひこま豚ステーキ、男爵いもを使用したメニューも豊富だ。注文した熱々のハンバーグステーキは、ナイフを入れると溢れる肉汁が、じっくり煮込んだ玉ねぎベースのソースと絡み、残さずすくって食べられる美味さだ。ホクホクの男爵いもコロッケは、シェフ自慢の特製カレーの辛みとの相性も良く、いもの甘みを引き出している。もし、平日に行けるなら、「平日限定ランチ男爵プレート」が人気なのでおすすめだ。大沼牛ハンバーグ(デミソース)とトマトソースパスタ、チーズがとろけるライスコロッケ、男爵いものミニコロッケと、男爵ラウンジのいいとこどりのワンプレートである。ただし数に限りがあるのでお早めにどうぞ。

農産物や物産コーナーも充実した道の駅「なないろ・ななえ」
男爵いものオブジェが目を引く「男爵ラウンジ」

早春の大沼湖畔
おすすめ散策コースを歩く

お腹を満たした後は、「大沼国定公園」へと向かうことにした。大沼は駒ヶ岳の大噴火によって山体が大崩落し、河川がせき止められてできた湖沼だと言われ、約3万年前に誕生したと考えられている。「日本新三景」にも選定され、総面積は約1109ヘクタールの広大な公園だ。大沼、小沼、蓴菜沼の3つの湖や、点在する100以上もの大小の島々を抱いている。
春には公園の湿地帯で、白くて美しいミズバショウなどが見られるほか、四季折々に水辺の花や、アオサギ、オシドリなどの野鳥を見ることができ、大自然を満喫できる。おすすめ散策コースがいくつかあり、「大島の路」散策路(約15分)は車椅子での散策も可能だ。また、コースの途中に「千の風になって 名曲誕生の地」モニュメントがある。この日はまだ肌寒かったため、コートをまとった観光客も訪れていた。
JR大沼公園駅の近くには「大沼国際交流プラザ(大沼観光案内所)」があり、ガイドさんが大沼の自然について詳しく教えてくれる。取材時はまだ営業していなかったが、遊覧船やカヌーなどでの湖上散策も楽しめる。湖畔一周道路は約14㎞程度なので、駅前のレンタサイクルを利用して、駒ヶ岳のビュースポットなどを巡るのも爽快だろう。
その湖畔沿いに、ひっそりと佇む駒ヶ岳神社がある。かつて駒ヶ岳の登山口があり、登山者の安全を祈願するために建てられたそうだ。すぐ傍には異様な大岩がどっしりと構えており、どうしてこんなところにと驚く。この大岩は、寛永17年(1640年)に起きた大噴火によって山頂が崩壊し、形成されたと伝えられており、その噴火の凄まじさを眼前にすることができる。
旅の締めくくりは、帰途の安全を神様にお願いし、七飯町を後にした。

大沼国定公園

ななえ町の旅マップ

七飯町の主な福祉法人

社会福祉法人 七飯有隣会

亀田郡七飯町緑町3丁目1番18号
電話(0138)84-5122 FAX(0138)66-6678

平成6年4月に法人設立。「徳は孤ならず、必ず隣有り」を社是とし、グローバルな人材育成や地域社会に貢献する事を理念に掲げ、現在はミャンマー人、ベトナム人の技能実習生を受け入れています。また、様々な行事の企画や参加を通して地域住民との交流を図り、緊急時の地域避難場所の提供など、より地域に根ざした法人として、福祉サービスの拡充を目指しています。

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