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小さなたび

vol.137

北の防人を想い、アイヌ民族の文化に触れる初冬の白老・ウポポイの旅

仙台藩士が守りぬいた白老町の風土を訪ねる

雪の予報も聞こえてきた初冬の一日、白老町を訪ねた。南は太平洋、北は支笏洞爺国立公園の一角をなす雄大な山々に抱かれ、面積の7割以上を森林が占める自然豊かなまちだ。
まずはJR白老駅北観光インフォメーション「ポロトミンタラ」に立ち寄った。アイヌ語で「大きい湖の広場」という意味があるそうだ。観光情報を入手してから、まち巡りをスタートしよう。
白老を語るにはずせない遺跡が「史跡白老仙台藩陣屋跡」だ。鎖国の終焉に伴い、蝦夷地における諸外国との戦いを見据えて、幕府が仙台藩に防衛拠点の構築を命じたのだ。三好監物や氏家秀之進らが蝦夷地探索により、自然の要害にすぐれた適地として白老に元陣屋を設けたのである。高い土塁と掘割の中に、本陣・勘定所・兵具蔵・馬屋などを備えていた。長屋には1 2 0 人の藩士が駐屯し、厳しい蝦夷の気候風土に耐え任務したという。昭和41年に国の史跡に指定され、発掘調査により建物の間取りや柱跡などが再現されている。内曲輪や太鼓橋を歩いていると、幕末の北の防人たちが、白い息を吐いてざわめく様子が目に浮かんだ。
陣屋跡に併設されている「仙台藩白老元陣屋資料館」には、蝦夷地出兵、陣屋造営の経緯、藩士の暮らしやアイヌ民族との交流の歴史を絵図面や文書など豊富な資料で紹介している。

JR白老駅北の観光インフォメーションセンター
仙台藩士とアイヌとの交流も紹介
国の史跡に指定されている仙台藩陣屋跡

アイヌ民族との共生を 象徴するウポポイ

アイヌ文化の復興・発展の拠点として2020年に誕生した「ウポポイ(民族共生象徴空間)」を訪ねた。駅から徒歩10分の利便な場所にある。「おおぜいで歌うこと」という意味があるアイヌ語を愛称としたウポポイは「国立アイヌ民族博物館」「国立民族共生公園」「慰霊施設」により構成されている。樹々や動物が描かれ、森の中へ誘われるような感覚になる「いざないの回廊」を歩くと、自然とともに暮らしてきたアイヌの文化が感じられるようだ。
「歓迎の広場」にはカフェやショップがあり、入場ゲートへと続いている。この日は平日だったが、家族連れや団体客のほか、多くの人びとで賑わっていた。
ウポポイのスタッフは「イランカラプテ! こんにちは」と元気にあいさつしてくれる。なので、あちこちで「イランカラプテ」の声が飛びかっていた。 まっすぐ進むと「国立アイヌ民族博物館」の建物だ。1階にはシアターがあり、アイヌ文化を多様なテーマから大画面映像で紹介している。20分程度なので気軽に立ち寄ってみたい。エスカレーターで2階へ上がると、思わず「おー」と声が出た。大きな窓からポロト湖がどーんと広がっている素晴らしい景色が目に入ってきたのだ。
湖畔には広場や「体験交流ホール」を要とした体験学習館や別館のあるゾーンが左側に見える。教育旅行等での体験活動もできる施設である。ホールではアイヌ古式舞踊や伝統芸能を上演している。右側は「伝統的コタン」や「工房」があるエリアだ。こちらは後で行ってみることにし、先に博物館の展示を見ることにした。
開放的で明るく広い展示室は、「ことば」「世界」「くらし」「歴史」「しごと」「交流」の6つのテーマをアイヌ民族の視点で紹介している。中央部で代表的な資料を展示し、放射状の外側でそれぞれのテーマを掘り下げているので、理解を深めやすくなっている。アイヌ民族の誇りが尊重される社会を目指し、歴史や文化を伝え、それを未来につなげていくことを目的とした博物館だ。
あちらこちらの展示をぐるぐると見て回っていると、多くの方は同行している相手と小さな声で話をしている様子だ。興味深い展示が多いせいだろうか。
建物の外に出ると、風は冷たいものの日差しがあるので心地よい散歩気分だ。「伝統的コタン」へ足を向けると、奥に弓矢体験ができる場があったが、あいにく風が強い日だったので、的がブラブラして難しそうだった。
アイヌの昔のチセ(家屋)が再現されていて、生活空間を体験できる。囲炉裏があり、スタッフが昔のくらしなどを紙芝居で楽しく紹介してくれた。いろいろとプログラムがあり、アイヌ衣装の体験ができるチセもあった。工房ではアイヌ工芸の実演と展示を行っている。有料だが木彫や刺繍体験もできる。

アイヌ文化の粋を集めた中央のプラザから自由に展示室を回れる
国立アイヌ民族博物館
森の木々や動物が描かれた
いざないの回廊を歩いて園内へ
アイヌの暮らしや文化に触れられるチセ
無料の園内バスが運行されている

新鮮なたまごとスイーツ
白老ならではの海産物

ウポポイをあとにし苫小牧方面へ車を走らせると、すぐ近くに「白老 たまごの里マザーズプラス」があった。自社養鶏場の新鮮な卵は、平飼い有精卵、赤たまご、さくら色たまごなど個性いろいろの産みたてたまごを販売している。たまごプリン、ロールケーキなど手づくりのスイーツも人気だ。午前中に立ち寄った観光インフォメーションの方から美味しいと聞いていたソフトクリームを注文してみた。
国道を登別方面へ進むと、通りかかったドライバーが必ず気がつくものがある。巨大な熊と鮭が屋根に登っている建物だ。大型バスの食事処として利用されることが多いが、レストランと海産物を販売している「網元感動市場 かに御殿」だ。かにはもちろん、鮭、イクラ等を豊富に扱っている。昼の団体客が帰ったばかりのようで意外と空いている。
さらに走ると「大漁番屋 虎杖浜」があった。人気のたらこ詰め放題をはじめ、魚卵や干物、珍味などがところ狭しと並ぶ店内は、多くの観光客が品定めをしている。旅のお土産に海産物を買い求め、店を後に帰りみちをたどる頃には、もう日が暮れかかっていた。

(左)フードコートの白老牛煮込みハンバーグ
(右)たまごの里 マザーズプラスのソフトクリーム
ど迫力の外観
網元感動市場かに御殿
虎杖浜たらこで人気の大漁番屋 虎杖浜

白老町の旅マップ

白老町の主な福祉法人

社会福祉法人 優和会

白老郡白老町字萩野310-112  
電話(0144)83-4240 Fax(0144)83-6640

19年間NPO法人として活動後、平成31年2月法人設立。介護が必要になっても利用者様が住み慣れた地域で「その人らしい生き方」を送れるように支援しています。白老町からの委託で介護予防サロンや認知症カフェ、気軽に相談できる窓口を開設。

社会福祉法人 ホープ

白老郡白老町字萩野310―110  
電話・Fax(0144)83-3537

平成16年9月法人設立。重い障がいがあっても自宅で息を潜めて暮らすことがないように、その人に合った仕事を開拓し、自立した生活ができるように職員、家族、地域の方の知恵を集め、広く地域に元気を発信できるように取り組んでいます。

社会福祉法人 エコライフまどか

白老郡白老町字竹浦101―33  
電話(0144)87-6611 Fax(0144)87-6612

法人設立は平成14年4月。自立した生活を地域社会で安心して営むことができるように、自助を実現するための支援をしています。温暖で雪が少なく、天然温泉であるということから、ケアハウス暖炉には全道だけでなく、本州の方も入居されています。

社会福祉法人 恵和園

白老郡白老町字白老762番地25 
電話(0144)82-3769 FAX(0144)82-3820

昭和50年5月開園。入居者の方が生き生きと暮らしていけるように、家庭的な雰囲気を持つ施設を目指しています。一年中入ることができる源泉かけ流しの天然温泉で、足湯(5月~11月)は地域の方にも開放。足湯ののぼりを見て観光客も利用しています。

社会福祉法人 白老宏友会

白老郡白老町川沿1丁目553-1
電話(0144)85-3100 Fax(0144)85-3133

法人設立は昭和59年1月。平成24年に入所更生施設を廃止して、利用者のニーズや願いを考えて、白老の町中で生活できるグループホームへと移行。令和5年6月にカシスなどを使ったジェラートショップを開店。「出会えてよかったと言える人生づくり」を支援理念に掲げて取り組んでいます。

社会福祉法人 白老町社会福祉協議会

白老郡白老町東町4丁目6番7号 いきいき4・6内
電話(0144)82-6306 Fax(0144)82-6308

昭和50年3月に社会福祉法人として認可。特徴的な事業は日曜日以外毎日、人工透析患者さんを自宅から登別市や苫小牧市の病院への移送サービスを行っています。地域の実情に合わせた形で、今求められている社会福祉の支援に取り組んでいます。

【vol.137閲覧中】

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