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小さなたび

vol.129

ばんえい競馬を訪ね、開拓の歴史にふれる初冬のおびひろの旅

障害の坂を越える大興奮のばんえい競馬と帯広百年記念館のマンモスのレプリカ

百年の歴史と産業に触れ 「とかちむら」の今を味わう

からっと晴れた初冬の一日、十勝平野のほぼ真ん中に位置する帯広市を訪れた。
今回は、世界で唯一の『ばんえい競馬』の魅力を体験してみようと思うが、まずはまちに敬意を表し、帯広百年記念館へと向かった。十勝の自然や歴史・産業を興味深く学べる総合博物館だ。常設の第一展示室に入ると、いきなり日本では数少ないマンモスのレプリカが現れる。文字どおり圧倒される大きさだ。展示は十勝平野の基盤ができあがり、最初の人類がマンモスを追うように来たころをジオラマで表現している。「開拓の夜明けと発展」や「十勝農業王国の確立」などと続き、第二展示室では「十勝平野の生いたち」から「十勝のアイヌ文化」などのコーナーで、日高山脈の誕生から先住の人々の生活・文化を紹介している。
記念館から南へ少し行くとビート資料館がある。ビート(てん菜)は十勝の代表的な農産物のひとつだ。砂糖の原料として北海道で作られており、おいしいスイーツ作りにも欠かせない。栽培は、冷害が続く北海道の農業に寒冷地作物を普及させようと140年ほど前に国策で進められたもの。苦難と発展の歴史的資料をはじめ、栽培や製糖技術など普段目にすることがない貴重な模型や展示が並ぶ。館長の説明も聞くことができる。
帯広競馬場の開門は午後1時だが、馬の資料館はその前から入館できる。ばんえい競馬の馬は、もともと開拓民の農耕馬。懸命に畑を耕し荷物を運び、家族のような関わりだった。そうした農耕具や馬具、写真などの充実した資料が展示されている。
競馬場敷地内にある「とかちむら」は3つのエリアに分かれている。産直市場は、特産のお土産から産直の野菜、市内の美味しいパン屋さんなどが集合。スイーツ&セレクトは、高品質な素材を使ったお菓子とオリジナルグッズが並ぶゾーン。とかちむらキッチンでは、帯広名物の豚丼や十勝産の素材にこだわった菓子などを提供している。
ばんえい競馬を楽しむ前に腹ごしらえをしようと、「豚丼きくちや」に入った。カウンター席だが8人程度は座れる。十勝産の豚肉を網焼きした「絶品!ぶた丼」が人気だ。秘伝のたれが香ばしい。甘すぎず、くどくなく、肉質も柔らかく仕上げた逸品だ。地元産にこだわった各種トッピングも好評で、温玉や山わさび、とろろ、パクチーと多彩だ。
食後に北海道ガーデン街道で人気の「紫竹ガーデン」のカフェに寄ってみた。スコーンやマカロン、バラ味のソフトクリームが好評だ。この日は手作りのシフォンケーキを味わった。押し花コースターも大人気とのことだ。

▲象徴的に展示されたビートの模型。このサイズから160gの砂糖が作られる。
▲開拓時代を彷彿とさせる展示物の数々
▲左の建物が「産直市場」、右が「とかちむらキッチン」と「スイーツ&セレクト」
▲観光客や地元の買物客でにぎわう「産直市場」
▲パクチー(士幌産)との相性も抜群だ

白熱のばんえい競馬 大声援のレースを観戦

競馬場内では先にふれあい動物園へ足を向けた。はじめに出迎えてくれるのはポニーだ。ばん馬は数頭いて、間近で見ると本当に体も顔も足も大きい。無人販売しているニンジンを直接食べさせることもできる。馬は顔を出して、早くくれ~と催促するようなそぶりを見せる。女性が怖々としながらもニンジンを与えていた。園内にはウサギなどの小動物もいて触れ合うことができるので、子ども連れの家族に人気なのも頷ける。
ばんえい競馬は初めてのため、まずは「ビギナーコーナー」へ向かう。係員が馬券の買い方や楽しみ方を教えてくれる。せっかくなので、取材とはいえ100円だけ試しに馬券を買ってみた。レースが始まるまで時間があるのでパドックに行ってみる。騎手が馬に乗り、周回して馬体の状態などを見せる場所なので、馬券を買う前に見るべきだったが。
レースを見るためにエキサイティングゾーンへ出てみる。多くのファンが柵に沿ってスタートを待っていた。コースは直線200メートルで、途中に障害となる坂が二つある。スタートすると坂の向うから重そうなソリの音が近づいてくる。場内で実況があるので素人にも状況は分かりやすい。第一障害にかかると観客は早くも興奮しており、熱気は第二障害でさらに高まる。騎手と重りをのせた鉄ソリをばん馬が力いっぱい乗り越えようとするが、途中で止まる馬もいる。観客は、それぞれが応援する馬に声援をおくり、乗り越える瞬間は大歓声だ。
さらにこのあと砂障害もあり、馬とともに人びともどんどんゴール近くに押し寄せ、終盤は興奮も最高潮だった。
試しに買った馬はあまり人気のない一頭だったが、三着まで追い上げて楽しませてくれた。

▲馬が上手にニンジンを食べてくれるので子どもでも大丈夫
▲分からないことはビギナーコーナーで聞いてみよう
▲パドックではしっかりと馬の状態をチェック

市民に愛される動物園と冒険家の記念館「氷雪の家」

おびひろ動物園の開設は、60年ほど前にさかのぼる。長く地元に愛されている場所だ。猛獣から癒しの動物、鳥類、は虫類まで60種近くが飼育されている。獣舎ではアムールトラやライオンがのしのしと歩きまわり、家族連れやカップルを威嚇していた。冬の日を浴びてホッキョクグマやゴマフアザラシはのんびり寝そべっていた。
敷地内にある植村直己記念館「氷雪の家」にも足を運んだ。外観は、北極のイヌイットが雪氷で作ったイグルーを模している。展示では数々の冒険歴で使用した遺品や写真、犬ぞりの模型もある。冬に訪ねると臨場感もたっぷりだ。
旅の最後は、幸福神社と旧国鉄広尾線にあった幸福駅に立寄った。いまも恋人たちに愛されている聖地だ。駅舎にはピンク色のきっぷがびっしりと貼られていた。プラットホームには実際に帯広~広尾間を走った車両が保存されており、駅名看板や「幸せの鐘」など撮影スポットもたくさんある。寄り添うように写真を撮っているカップルが何組もいて、少しだけしあわせな気分を分けてもらい、帯広をあとにしたのだった。

▲アムールトラの獣舎前でベビーカーの赤ちゃんを撮っていたご家族
▲犬ぞりの模型
▲幸運を引き寄せるという十勝輓馬(ひきうま)神社
▲映画のワンシーンのような二人でした

帯広市の旅マップ

帯広競馬場周辺の主な福祉法人

社会福祉法人 竜谷保育会

帯広市東3条南5丁目5番地
電話(0155)23-3720 FAX(0155)21-4989
鉄南保育園/藤花保育園/さくら保育園/児童保育センター(学童保育)

昭和25年9月1日宗教法人本願寺帯広別院立鉄南保育会として開園しました。昭和51年9月に社会福祉法人竜谷保育会と名称を変更し、現在3つの保育園と児童保育センターを運営しています。「いのちを大切にし、生きている喜びを感じ、ともに育ちあう」という保育の理念をかかげ、まことの保育を拠りどころとして、いのちの尊さに気づき、感謝の心や思いやりの心を大切に育む保育を進めています。

社会福祉法人 帯広市社会福祉協議会

帯広市公園東町3丁目9番地1
電話(0155)21-2414 FAX(0155)21-2415

昭和26年11月に帯広市役所の福祉事務所内に設置後、昭和42年5月13日に社会福祉法人 帯広市社会福祉協議会として登録。地域の人々やボランティア、福祉・保健などの関係者、行政の参加と協力のもと、様々な地域福祉事業に取り組んでいます。障害福祉事業の「すこやか農園事業」は障害児(者)をもつ親の会と協力団体が実行委員会を組織し、帯広農業高校の農場を借りて播種から収穫までの農作業に取り組んでいます。高校生と共に学び楽しむ事で障害児(者)の社会参加の促進をはかり、ともに支え合う共生社会の理解を深める場として毎年実施しています。20回目を迎えた今年度は初めてサツマイモにも挑戦しました。

特定非営利活動法人 共生シンフォニー

帯広市西17条南3丁目22番地15
電話(0155)67-5257 FAX(0155)67-5257
重症心身障がい児者通所施設 ぐらんつ

法人の設立は平成28年8月26日。その後、常時医療的ケアが必要な方々のための、重症心身障がい児者通所施設「ぐらんつ」を平成29年1月1日に開所しました。日中の一定時間利用の「生活介護」と「児童発達支援」事業、放課後や夏休み、冬休みなどの長期休暇期間利用の「放課後等デイサービス」を行っています。日中、家を離れ事業所内で過ごすことによって、利用者さんもご家族の方もいきいきとした生活を送ることができるように支援しています。また、外出したり、地域の行事へ参加することで、まちの人たちに知ってもらい、つながりを持つことにも務めています。

【vol.129閲覧中】

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