福利厚生をご利用の方はログインして下さい

ホーム > 小さなたび > 初秋のみかさ市の旅

小さなたび

vol.128

太古の遺産と歴史のまち初秋のみかさ市の旅

(1)アンモナイト展示数日本一の三笠市立博物館、(2)道の駅の巨大水車小屋「農の館」、(3)幌内ゾーンの三笠鉄道記念館、(4)北海盆歌の発祥となった三笠市の盆踊り櫓、(5)クロフォード公園の旧幌内太駅跡の売店

田園風景が広がる三笠市

石狩平野の東部、北海道のほぼ中央に位置する三笠市を訪ねた。かつて石炭で栄え、アンモナイトの博物館があるまちという知識しかない。ほとんど知らないまちで、どんな発見があるのか楽しみだ。
岩見沢から田園風景が広がる三笠市に入って、まず道の駅「三笠」を訪れた。国道12号線沿いにあり、北海道で第1号に認定された道の駅だ。直径10mの巨大水車が一際目を引く。館内には地元の土産品売場や観光案内所がある。敷地内には特産品販売場「食の蔵」やパークゴルフ場、食事処があり、温浴施設「太古の湯」と宿泊施設「旅籠」も隣接している。
道の駅からほど近い達布山展望台は標高144m。板垣退助や山形有朋などの明治の要人が数多く訪れ、北海道開拓計画を立てたという歴史的な山。山頂には花が開いたような形の展望台があり、のどかな石狩平野の絶景が一望できる。
達布山の麓にある山崎ワイナリーを訪ねてみた。農家として日本で初めてワインの醸造免許を取得し、自社畑で育てたブドウのみを使用したこだわりのワインを製造している。ワインは、シャルドネやピノ・ノワールといったヨーロッパ系品種のみ。どの銘柄も評価が高く、日本ワイナリーアワードでは最高の五つ星を獲得しているとか。
ちょっと早い昼食を「畑の中のレストランEKARA」で摂ることにした。古材を使った店内はどこか懐かしく、高い天井、大きな窓から農村の風景を眺めながら地元産や自家農園産野菜をふんだんに使った料理を楽しめる。ランチメニューは【畑】農園のプレート、ピッツァ、【森】農園のプレート、、薪で焼いた野菜とお肉のプレート、【空】農園のプレート、ラザニアまたはピッツァ、肉料理、デザート、ドリンクの三種類。二棟のコテージもあり、宿泊も可能な「滞在型レストラン」だ。

▲北海道で最初に登録された道の駅「三笠」
▲ブドウ畑の中にたたずむ山崎ワイナリー
▲古材を使ったゆったり落ち着いた雰囲気の店内
▲畑の中のレストランのランチメニュー「畑」と「森」

高校生レストランと鉄道発祥の歴史的遺産

市街地の中央公園に北海盆踊り櫓が建っている。北海道の盆踊りで歌われる「北海盆歌」は、三笠市の幾春別地区が発祥なんだとか。昭和26年頃にあった3階建ての櫓を再現したもの。毎年8月にはこの櫓を囲んで三笠北海盆踊りが開催される。
すぐ近くに三笠高校食物調理科の調理部の生徒が運営する高校生レストラン「まごころきっちん」と製菓部がケーキやパンなどを製造、販売するカフェCherieが併設されている。土・日・祝日と春・夏・冬休み期間中のみ営業だ。調理、接客、コスト管理などを実践的に学ぶほか、「日頃の学習の成果」と「地域の旬の食材」を活かした料理を提供している。地域連携部が地元企業と共同運営するESSOR STORE(エソールストア)では、生徒が開発に携わったジェラートやメロンパンなどの商品を販売。平日も営業(月曜日定休)している。
三笠鉄道村は、クロフォード公園の名称で親しまれている「三笠ゾーン」と三笠鉄道記念館のある「幌内ゾーン」で構成されている。北海道鉄道発祥の地として歴史的遺産・文化保存のため、昭和62年にオープンした。本物の蒸気機関車やミニ鉄道が走り、過去に道内各地で活躍したさまざまな車両を展示している。「トロッコ鉄道」や本物のSL・SI304号を運転体験する「SL機関士体験クラブ」も開設している。本物のSLの運転体験ができるのは、日本でもここだけだ。

▲高校生レストラン外観
▲三笠高校の生徒が開発に携わったジェラートなどの販売店「エソールストア」
▲家族連れでにぎわう三笠トロッコ鉄道(写真提供:三笠市商工観光課)

市全域がジオパーク 日本一の化石博物館

ミカサ・モダンアートミュージアムは、平成10年に閉校した旧幌内中学校を利用した美術館。市民や芸術家の創作・展示活動を支援しながら文化を育む人づくり、まちづくりを目指し、平成12年4月にオープンした。石炭で製作したオブジェや木彫りのアンモナイトなど、三笠市ならではの作品のほか、三笠市出身の故大和屋巌さんの水彩画やスケッチをはじめ、市外の芸術家が創作した彫刻・造形・写真などの作品が展示されている。
三笠市は、各所に炭鉱跡が保存されていて、市全体がジオパークエリアに指定されている。その中で、旧奔別炭鉱を見学した。現存する国内最大の立坑で、当時は東洋一の立坑と呼ばれていたという。私有地のため敷地内には入れず、外観のみを撮影してきた。
三笠市立博物館は、別名「化石の博物館」「日本一のアンモナイト博物館」とも呼ばれる博物館。アンモナイトをはじめ、エゾミカサリュウなど1000点以上の道内産化石の展示は圧巻だ。
また、炭坑の街として栄えた三笠市の歴史を刻む北海道初の資料や、屋外には1億年前の地層を見ることができる散策路「野外博物館」も整備されている。
桂沢湖は、桂沢ダムの完成によりできた人造湖。湖の周囲は森林に囲まれた自然景観の美しい所で、道立自然公園に指定されている。シンボルとなっている恐竜の像は、1976年にエゾミカサリュウの化石が発見された事をきっかけに建てられたものだそうだ。桂沢湖周辺は化石の宝庫として世界的にも有名で、アンモナイトやその時代の化石が多数発見されていて、三笠市立博物館にその一部が展示されている。湖畔は公園として整備され、秋の紅葉まつりや冬のワカサギ釣りなど四季を通じて楽しむことができる。
数々の意外な発見があって楽しかった三笠市の旅。桜や梅の名所もあり、GWや夏休みの家族旅行にもおすすめのまちだ。

▲廃校の体育館を利用したモダンアートミュージアムの展示場
▲当時の技術の枠を集め、東洋一の立坑といわれた旧奔別炭鉱
▲紅葉に映えるアーチ橋・桂沢大橋(写真提供:三笠市商工観光課)
▲桂沢湖のシンボル、ティラノサウルスの像

三笠市の旅マップ

三笠市のおもな福祉施設

社会福祉法人 三笠市社会福祉協議会

三笠市若草町280 老人福祉センター内
電話(01267)2-3151 FAX(01267)3-1515

昭和32年任意団体として発足。昭和52年12月3日法人化されました。
近年、三笠市は積雪が多く、市でやっている「ぬくもり除雪サービス」の橋渡しを社協が担っています。例年行われている除雪ボランティアではダム工事の会社の人たちや鵡川高校野球部、三笠高校の生徒たちも参加してくれます。ボランティア活動では、ボランティアポイントを設けて、1時間1ポイントで一日上限2ポイントまでです。今年10月からは30分以内の「ちょこっとお手伝いサービス」をはじめます。ゴミ出しや見守りを兼ねた話し相手などです。サービスを受ける側の遠慮や気兼ねなどの心の負担を軽減するため、10分50~100円の有償ボランティアになります。サロン活動にも力を入れていて、町内会単位や個人宅など三笠市内に20ヵ所ものサロンが開催されています。今後、新たな事業の計画はありませんが、「今やっている事業をもっと充実させて、その中で次の課題を見つけていきたい」とおっしゃっていました。

【vol.128閲覧中】

一覧へ戻る

TOP