職員インタビュー(社福)弥生福祉会 あじさい保育園 (栄養士)

入院をきっかけに「栄養士」の道へ

(社福)弥生福祉会 あじさい保育園細田 美奈さん(栄養士)
▲(社福)弥生福祉会
あじさい保育園
細田 美奈さん(栄養士)

 大学卒業後、細田さんが就職先に選んだのは札幌にある不動産会社。故郷の帯広から離れ、営業担当として忙しい毎日を送っていました。
 「朝早く、夜遅い仕事で、食事はコンビニで調達するか外食が中心でした。そんな生活を送っていたこともあり、体調を崩して大学病院に2週間程入院することになりました。そのときに治療の一環として出された病院食をいただき、栄養士の仕事に興味を持ちました」と細田さん。
 家族の勧めもあって、4年間勤めた不動産会社を退職し、地元の短期大学で栄養士になるための勉強をスタート。卒業間近にあじさい保育園への就職が決まり、前職とはまったく違う分野で新しい一歩を踏み出しました。


不安の中でのスタート周りの支えが励みに

 引継ぎの期間も短く、調理経験もほとんどなかったため、当初は不安と戸惑いを感じながら、無我夢中で仕事をこなしていたそうです。
「0~6歳児のクラスを持つ保育園では、給食はおかずの大きさや形状、量に至るまでそれぞれの年齢にあわせてつくらなければなりません。使う食器も年齢によって異なるので、それらを把握するのが大変でした」。
 細田さんが不安に思ったのは仕事のことだけではありません。保育士10数名に対し、正職員として働く栄養士は細田さん1人だったため、疎外感にさいなまれることもあったといいます。しかし、「周りの保育士の先生方が園内の様子を教えてくれるなどして、徐々に共通の話題を持てるようになり、新しい環境に馴染んでいきました」と、振り返ります。
 そんな周りの支えもあって、細田さんは栄養士として着実に成長を遂げていきます。

子どもの立場にたった食べやすいメニューを

 あじさい保育園では、細田さんとパート勤務の栄養士さんの2人で園児120名と職員の給食を作っています。献立を考えるのはもちろん、食材の発注、調理、配膳や下膳、後片づけまで、すべてが細田さんの仕事です。時間に追われる毎日ですが、残食が多いメニューをじかに知ることができ、それがメニューの改善に役立っています。
 「子どもはパサパサした食べものが苦手だということを知りませんでした。シャケの切り身がよく残ったのもうまく飲み込めないのが原因です。それがわかってから、シャケはムニエルにし、砂糖醤油で味付けして唾液が出やすいように工夫しました。すると残食が減り、メニューの人気も上がりました」。
 そうした変化や子どもたちに「今日のごはん、おいしかったよ!」と言われることが、やりがいや励みにつながると細田さんは言います。
 「食事を提供するうえで特に意識しているのが、子どもたちに帯広の食材に親しんでもらうこと。年2回、地元で採れた豆類が寄付として届くため、おはぎやぜんざいなどを作り、豆料理を身近に感じてもらえるよう気を配っています」。
 中でも、改良に改良を重ねて完成した小豆スープは人気メニューの一つになり、家で保護者に「つくって」とせがむ園児もいるそうです。

奥が深い仕事もっと知識を深めたい

子どもたちに「食」に親しんでもらう取り組みにも力を入れる細田さん
▲子どもたちに「食」に親しんでもらう取り組みにも力を入れる細田さん

 「最近、特に朝ごはんの重要性を痛感しています。朝ごはんをしっかり食べずに登園する園児も少なくないため、昼ごはんはおかわりができるよう多めに用意するようにしています」。
 この仕事に就いてから12年。年月を重ねるほど、「食」への興味が深まり、栄養士としてやるべきことが見えてくると話す細田さんは、「離乳食についての知識を深めたいと思い、通信教育を利用して勉強を始めました」と、近況を教えてくれました。
 スーパーへ買い物に行っても、旬の食材の値段をチェックしてしまうなど、プライベートでもつい仕事のことを考えてしまうという細田さん。それでも、「自然豊かな帯広は、子育てするうえで最高の環境です」と、休日はご主人と2人のお子さんとともに家族水入らずの時間を楽しんでいるようです。

社会福祉法人 弥生福祉会

帯広市東9条南19丁目1-1
電話(0155)25-4510 FAX(0155)25-0338
あじさい保育園/こでまり保育園/ひばり保育園/東エリア児童保育センター

 昭和53年4月に「あじさい保育園」を開設。「自然を愛し、未来を切り拓くたくましい人間像を目指します」という理念のもと、平成15年に「こでまり保育園」、平成31年に「ひばり保育園」を開設しました。平成17年には小学生を対象とした東エリア児童保育センターの管理運営にも乗り出し、子育てにおいて地域の中で中心的な役割を担っています。
 「自分のことは自分で出来るよう見守る」「自然とのふれあい(遊び)を通して健康な体を育む」などを保育目標とし、1年を通して戸外で遊び、暑さや寒さに負けない体づくりに取り組んでいるほか、はだし保育を実践。あじさい保育園では近くの札内川に繰り出し、水遊びの楽しさを経験するとともに、危機意識を養っています。あじさい保育園の松山久子園長は「先輩方がつくり上げた理念を継承しつつ、時代に合った保育園のあり方を追求するのが私の役目です」と話しています。
1年を通して「はだし保育」を実践
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川遊びで自然とふれあう
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どろんこ遊びで五感をみがく
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