職員インタビュー(社福)函館恭北会 トータスホーム (生活支援員)

父と同じ道へ障がい福祉分野へ就職

(社福)函館恭北会 トータスホーム 髙森 健太さん(生活支援員)
▲(社福)函館恭北会
トータスホーム
髙森 健太さん(生活支援員)

 人の役に立ちたいー。その思いが人一倍強い髙森さんが選んだのは福祉の仕事。一時は警察官になることも考えたそうですが、知的障がい者の福祉施設で働いていた父親の勧めもあり、一障がい者支援の道へ進みました。はじめに就職した知的障がい者。障がい者の入所施設では、食事からトイレ、入浴まで、利用者さんの生活全般を介助する仕事に従事。2016年からは、経験の幅を広げるためにトータスホームへ転職し、生活支援員として働いています。同じ入所施設でも、ここは精神障がい者が対象です。
 「利用者さんは統合失調症の方が9割。発症される前は仕事に就いていた方もいて、食事やトイレなどの介助はほとんど必要ありません。最初は以前の職場との違いに驚かされました」と髙森さんは振り返ります。

生活支援員として障がい者の生活を支援

 トータスホームは、精神に障がいを持つ方のための宿泊型社会復帰施設です。現在、20名ほどの利用者さんが寝食をともにしながら集団生活を送っています。ここで利用者さんの生活をサポートするのが、髙森さんの役目。利用者さんは、それぞれ症状も、苦手なことも異なるため、個別に目標を立て、それに従って自立に向けた訓練を行います。
 「入所されている方の多くは、薬やお金の管理が苦手です。薬の場合、1日の管理から始めて、次は1週間、その次は1ヵ月間と、段階的に管理する期間を増やしながら訓練を重ねます」。そのほか、洗濯や掃除を手伝ったり、買い物や公的手続きのために市役所に付き添ったりと、利用者さんの生活に深く関わるのがこの仕事の特徴です。
 「だからこそ利用者さんとの距離を保つのが難しい仕事ともいえます。お互いに慣れてくるとどうしても友だち口調になりがちですが、私たちは友だちではなく支援者です。利用者さん一人ひとりを個人として尊重する意味でも、敬語でお話をさせていただいています」と髙森さん。
 トータスホームの利用期間は2~3年。当初は身のまわりのことが何もできなかった利用者さんの多くが、生活する上で最低限必要なスキルを身につけて退所していくそうです。
 「以前、症状が重く、施設での生活に慣れるまで時間がかかった利用者さんがいました。その方が退所されるとき、『できることが増えたよ。ありがとう』と涙を流された姿を見て、この仕事を選んで良かったと心底思いました。
 なかなか心を開いてくださらない利用者さんの場合は、地道な声かけなど、日々の積み重ねが大切になってきます。まずは真摯に向き合うことが解決の糸口です」。
 そう心がける髙森さんだからこそ、利用者さんからの信頼も厚いようです。

今後の目標は社会福祉士の資格取得

身のまわりのことができるよう、掃除をするのも訓練の一環です
▲身のまわりのことができるよう、掃除をするのも訓練の一環です

 「これからもずっと福祉の分野で働きたい」と話す髙森さんの目標は、社会福祉士の資格を取ることです。しかし、365日24時間体制で福祉サービスを提供する施設では夜勤は免れません。しかも、プライベートでは昨年12月に子どもが生まれたばかり。仕事に育児と時間に追われながらも、髙森さんは今年2月に社会福祉士の国家試験に挑戦しました。結果が出るのはまだ先ですが、「試験勉強で得た知識は仕事で役に立っています」と、早くも成果を実感しています。
 決して楽ではない福祉の仕事。髙森さんにとって、利用者さんの生活能力の向上が仕事の原動力になっていることは言うまでもありません。また、利用者さん一人ひとりの課題を共有し、職員全員で解決していこうとする職場環境も、仕事のモチベーションを上げてくれる大きな要因となっています。
 最後に、札幌の大学を卒業後、地元の函館に戻ってきた理由を尋ねると、「函館が大好きだから。子どもが生まれる前は奥さんと夜景を見に行ったり、木古内町など道南方面へのドライブを楽しんだりしました。子どもがもう少し大きくなったら、いろいろなところに連れて行って、多くの経験をさせたいですね。函館にはそれができる環境があります」と笑顔で話してくれました。

社会福祉法人 函館恭北会

函館市東畑町141-13
電話(0138)58-1985 FAX(0138)58-1983
トータスホーム/ラビットファーム/函館地域生活支援センター

 1999年3月10日に社会福祉法人の認定を受け、その年の11月1日に援護寮として「トータスホーム」、授産施設として「ラビットファーム」を函館市東畑町に開設。2002年10月1日には精神障がい者の地域生活支援を目的とした「函館地域生活支援センター」を発足しました。いずれも精神障がい者の社会復帰をサポートするための施設で、入所での自立訓練を行うのが「トータスホーム」です。利用期間は2~3年。退所後、グループホームなどで生活することを見据え、身のまわりのことができるよう訓練するほか、集団活動として体育館での運動、畑仕事など、さまざまなプログラムを用意。秋には畑で採れた野菜とジンギスカンを入所者全員で楽しむイベントもあります。基本的なルールはあるものの、利用者さん一人ひとりの意思を尊重し、やりたいと思うことは推奨するのがトータスホームの流儀。「なぜなら、失敗することでいろいろなものが得られるから」。そう話すのは施設長の矢田洋介さん。道南地域の中核をなす精神障がい者社会復帰施設として、幅広い地域から受け入れを行っているほか、在宅で生活する方を対象としたショートステイ(短期入所事業)も実施しています。
自然に囲まれたトータスホーム
自然に囲まれたトータスホーム
料理に挑戦する利用者さん
料理に挑戦する利用者さん