小さな旅

2020年夏、花はどこへ行った 初夏のほくりゅう町の旅

2020年夏、北竜町自慢の200万本のひまわりが消えました。ちょっと寂しい夏です。しかし、二頭の竜が守るユニークな北竜門、絶景の田園風景、町民手作りの森、特産品のひまわりライス、幻の黒大豆など、北竜町は魅力を失ってはいませんでした。

道の駅を併設したサンフラワーパーク北竜温泉。大迫力の北竜門は町のシンボルとなっています。

北竜町観光の拠点 北竜温泉と道の駅

 空はやや雲が多いものの、薄日が射し汗ばむほどの初夏の一日、国道275号線を北上。一路、北竜町へと向かった。「ようこそ北竜町へ」という大きな看板を過ぎると、街灯もバス停の待合所もひまわりのデザインに変わり、ひまわりの町に到着したことを実感できる。しかし今年は、コロナウイルスの影響で毎年夏に開催される人気イベント「ひまわりまつり」は中止が決定。さらに、疲弊した畑を休ませるため、ひまわりの栽培は行われていない。ちょっと寂しい今夏の北竜町だ。
 市街地を抜けると国道沿いに二頭の竜が向き合う北竜門と、中世オランダをイメージしたという建物が見えてくる。町のランドマーク的存在のサンフラワーパーク北竜温泉だ。北竜門には両側に階段がついていて昇ることができ、迫力のある竜の顔を間近で見ることができる。屋外には果物や野菜をモチーフとした遊具広場が広がっている。施設内には温泉、ホテル、レストランが設けられていて、売店は道の駅「サンフラワー北竜」を兼ねている。温泉施設は大浴場、サウナ、露天風呂を完備。特に入浴剤用に栽培したひまわりの花や茎を使用した「ひまわり湯」が好評だという。売店では特産品のひまわりライス、ひまわりや黒千石大豆を使った商品が人気だとか。ひまわりライスは、おぼろづき・ゆめぴりか・ななつぼしなどの道産米を低農薬栽培したブランド米の総称。北竜町では「生産情報公表農産物JAS規格」を取得し、だれが、どこの田んぼで、何の農薬を使って栽培したがわかるクリーン農業を推進。平成29年には日本農業賞の大賞を受賞した。ふるさと納税の返礼品としても人気で、令和元年の納税額は5億円超と大幅に増えているという。
 北海道の原種である小粒種の黒千石は、70年代に一度は栽培が途絶えた幻の黒大豆。北竜町で特産品として復活した。道の駅で黒千石ソフトクリームを食べてみた。なめらかなソフトクリームに黒千石のきな粉を振りかけていて、きな粉が香ばしくて美味しい。ひまわりの種を使ったひまわりアイスクリームもある。
農畜産物直売所「みのりっち北竜」は、北竜温泉の屋外に併設されている野菜販売所。地元産のとれたて野菜を販売していて、地元の主婦らしい一団が盛んに品定めしていた。ひまわりライス、黒千石大豆加工品、手作りみそ、笹団子などの加工品や花の苗、切り花なども豊富に揃っている。

ほくりゅうのひまわり
ほくりゅうのひまわり
中世オランダの建物をイメージした北竜温泉
中世オランダの建物をイメージした北竜温泉。道の駅、温泉、ホテル、レストランがあります。
道の駅「サンフラワー北竜」内
道の駅「サンフラワー北竜」内
おいしそうなソフトクリーム
おいしそうなソフトクリームを販売
「ひまわり」のバス停、街灯
「ひまわり」のバス停(左)、街灯(右)
「ひまわり」の街灯、サンフラワーパーク北竜の看板
「ひまわり」の街灯(左)、サンフラワーパーク北竜の看板(右)
ひまわりの里看板、「ひまわり」の交番
ひまわりの里看板(左)、「ひまわり」の交番(右)
「ひまわり」の校舎、金比羅公園の看板
「ひまわり」の校舎(左)、金比羅公園の看板(右)
北竜町の野菜を販売する農畜産物直売所
北竜町で採れた野菜を中心に販売する農畜産物直売所
農畜産物直売所のなかの風景
農畜産物直売所のなかの風景

北空知の田園風景と町民手づくりの森

 市街地の国道沿いにあるひまわりパークゴルフ場は、4コース36ホールの国際パークゴルフ協会公認の本格コース。公式競技大会も開催される。パークゴルフ場に沿って桜並木が続いている。桜並木に沿って小高い丘を登ると眺望の丘がある。特別な施設は何もなく展望台すらない。ただ畑が広がっているだけだが、眺望は素晴らしい。石狩平野の最北端に位置する北空知の田園風景を暑寒別岳連峰が取り囲む絶景が広がっている。
 眺望の丘からほど近い場所にイチイの森がある。自然を大切にしたいという町民の思いに支えられた北竜町民手作りの森だ。森の中の散策路はフットパスコースになっている。まだあまり背の高くないイチイの木が多く、根元に植樹した町民と思われる名前と米寿記念、金婚記念、誕生記念と書かれた立札が立っている。散策路には北竜町にゆかりのある吉植庄亮さんの歌碑や、森づくりの指導者で『どろ亀さん』の愛称で親しまれた高橋延清さん(東大名誉教授)の歌碑などがたくさん建てられていた。
 ひまわりはないと知りながら、ひまわりの里へ行ってみた。前年のひまわりは肥料として畑にすき込まれ、静かに休むひまわり畑があるばかり。まつりの期間中の展望台や観光案内所がひっそりとたたずんでいる。絶好の撮影ポイントとして人気の三連水車も冬囲いのような丸太に囲われて動いてはいなかった。
 ひまわりの里に隣接して、校舎の壁面にひまわりの絵が描かれた北竜中学校が建っている。勤労学習の一環として世界のひまわりコーナーの30種類のひまわりは、北竜中学校の生徒たちが栽培しているのだとか。ひまわりまつり期間中の2日間、生徒たちが「ひまわりガイド」として世界のひまわりを紹介している。北竜中学校はまつりに欠かせない柱として重要な役割を担っている。

ひまわりパークゴルフ場
ひまわりパークゴルフ場
田園風景を一望できる眺望の丘
雄大な北空知の田園風景と大雪山系を一望できる眺望の丘
町民手作りの「イチイの森」
町の木であるイチイを植えた町民手作りの「イチイの森」
「イチイの森」の看板
「イチイの森」の看板
「ひまわりまつり」が開催されるひまわりの里
例年「ひまわりまつり」が開催されるひまわりの里
静かに疲れをいやす広大なひまわり畑
静かに疲れをいやす広大なひまわり畑
三連水車も今年は活動中止
三連水車も今年は活動中止

北竜町でしか味わえない黒千石を使ったメニュー

 昼食は北竜温泉に戻ってレストラン「風車」へ。黒千石大豆を使用したハンバーグ、カレー、麺類など北竜町ならではのメニューが豊富だ。地元産の野菜がふんだんに使われた黒い野菜カレーを注文する。北竜町でしか味わえないオリジナルメニューだ。
 昼食後は、町を横切る道道94号線沿いの小高い丘の上にある金比羅公園へ行ってみた。春はエゾヤマザクラやシバザクラが咲き誇り、秋には紅葉に包まれる小さな公園だ。池に架かる赤い太鼓橋がアクセントになっている。園内はキャンプ場になっていて、野外バーベキュー施設、炊事場、トイレなどがすべて予約不要、無料で利用できる。
 道道94号線をさらに進むと竜神のオンコ、三段の滝があるのだが、道路が整備されていなくて危険だということで行くことができない。北竜町役場の協力を得て簡単に紹介しておこう。竜神のオンコはイチイまたはアララギとも呼ばれる常緑針葉樹。樹齢およそ800年、高さ約11m、幹周り約488cmという巨木で、平成元年に環境庁が行った調査の結果、樹種別で全国9位となっている。
 暑寒別岳を源とする三段の滝は恵岱別ダムの上流約10㎞、暑寒別岳登山口から約5㎞の所に位置する。滝の下からは2段目までしか見えないが、轟音とともに滝壺に流れ落ちる水量豊富な滝。ヒグマの生息域でもあるため注意が必要ということだ。
 帰路に就く前に北竜町郷土資料館に立ち寄ってみた。公民館の中にあり、1階が図書館、2階が資料館になっている。開町120年を記念してリニューアルオープンし、北竜町の歩みがよくわかるパネルが新設された。50インチの液晶画面があり、3つのプログラムから北竜町の四季を映した映像が選択できる。規模は小さいが充実した展示となっている。
 帰り際に公民館の職員さんが、今年は公民館前の国道沿いにひまわりを植えるのだと話してくれた。町民にもひまわりの種が配られ、各家庭で植えてもらう運動が広がっているという。200万本という日本一の規模のひまわりを見られなかったのは残念だったが、来年、元気を取り戻したヒマワリが咲き誇る様を見てみたいと思った北竜町の旅だった。

地元産の野菜を使った黒い野菜カレー
地元産の野菜がふんだんに使われた黒い野菜カレー
四季折々の美しい風景が楽しめる金比羅公園
四季折々の美しい風景が楽しめる金比羅公園
三段の滝(左)、竜神のオンコ(右)
飛沫をあげて三段に落下する三段の滝(左)と樹種別で全国9位にランクされた竜神のオンコ(右)
郷土博物館内のレプリカや生活用具
郷土博物館内のレプリカや生活用具
北竜町の郷土博物館
北竜町の歴史を紹介する郷土博物館

北竜町の旅マップ

北竜町の旅マップ
北竜町の主な福祉施設
北竜町老人福祉センター外観
北竜町老人福祉センター外観
コスモスクラブ
コスモスクラブ
たんぽぽクラブ
たんぽぽクラブ
真竜小学校4年生20名を対象に「認知症サポーター養成講座」
真竜小学校4年生20名を対象に「認知症サポーター養成講座」
真竜中学校2年生8名の皆さんに「認知症サポーター養成講座」
真竜中学校2年生8名の皆さんに「認知症サポーター養成講座」

社会福祉法人 北竜町社会福祉協議会

雨竜郡北竜町字和19-6 北竜町老人福祉センター内
電話(0164)34-2435 FAX(0164)34-3011

 昭和32年11月、町主導で北竜町社会福祉協議会(町長が会長)発足。その後、昭和46年6月、民間団体として独立。平成元年12月に法人化されました。「職員の福利厚生の見直しと退職金などの将来設計を考えて、今年度から共済会に入会しました」と中村道人事務局長。中村事務局長は若年認知症家族会「空知ひまわり」の事務局長も兼務されています。
 北竜町は人口1778人の小さな町。北竜町社協では、65歳以上が771人(人口の43.4%)と高齢化が進む中、ホームヘルパー事業を中心とする高齢者福祉に力を入れています。介護認定を受けていない満65歳以上の高齢者を対象に、自立型のデイサービス「たんぽぽクラブ」を和地区と碧水地区の「支え合いセンター」で開催しています。また、月・水・金の週3回は同センターでボランティア団体がサロン活動を行っています。要支援1・2の認定を受けた高齢者は老人福祉センターで週4回行われる「コスモスクラブ」に移行します。
 新型コロナウイルス感染防止対策の外出自粛要請期間も「介護サービスは休まない」という社協の方針で「コスモスクラブ」は休まず開催。独り暮らしの高齢者世帯を対象とした電話サービス事業(安否確認、話し相手、生活相談等)も回数を増やし、時間も延長して対応しました。高齢者施設、障がい者施設のない北竜町にあって、社協は地域福祉推進の中核を担っています。